商船三井は5月7日、三井E&Sマシナリーと、今後港湾荷役機器への水素燃料導入に向けて共同検討することに合意したと発表した。
その一環として、商船三井のグループ会社である商船港運が、商船三井が運営する神戸国際コンテナターミナル(KICT)で、三井E&Sマシナリーが開発した新型タイヤ式トランスファークレーン(RTG)を国内で初めて契約、導入を決定した。
契約したのは、三井E&Sマシナリーが開発した「NZE(Near Zero Emission)トランステーナ」(ニアゼロRTG)となる。ニアゼロRTGは、搭載するディーゼルエンジンの小型化により、燃費が従来のハイブリッドRTGと比べ約20~30%向上し、それに伴い二酸化炭素やディーゼル排気有害物質の排出を低減している。
また、将来的な水素供給インフラの普及を見据え、ディーゼルエンジンを水素燃料電池(FC)電源装置へ換装することでゼロ・エミッション化にも対応可能な仕様である事から、神戸港での実証実験、及び本格導入を視野に入れてKICTでの導入を決定した。導入時期は2022年5月末を予定しておりKICTはニアゼロRTGを契約した国内第一号コンテナターミナルとなる。
また今回のニアゼロRTG導入は、国土交通省が掲げる港湾での脱炭素化実現に向けた取り組みである「カーボンニュートラルポート(CNP)」構想にも合致した取り組みで、今後三井E&Sマシナリーと連携してCNP実現を目指すとしている。