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日本郵船/アンモニアのサプライチェーン構築で企業に出資

2021年06月02日/SCM・経営

日本郵船は6月2日、特殊な触媒技術を使って必要な場所で必要な量のアンモニア生産を可能にするオンサイト型アンモニア合成システムの実用化を進めている東京工業大学発のベンチャー企業「つばめBHB」へ出資したと発表した。

つばめBHBは、東京工業大学の細野秀雄栄誉教授が発明したエレクトライド触媒を用い、従来の技術より低温・低圧でアンモニア生産できる技術の実用化を目指すベンチャー企業。

現在のアンモニア生産は、約100年前に生まれたハーバー・ボッシュ法という技術を採用しており、高温・高圧下で水素と窒素を合成することから、大規模設備、多くのエネルギーを要し、さらにCO2を大量に排出することが課題となっている。

細野秀雄栄誉教授が開発したエレクトライド触媒を用いると低温・低圧環境下で高効率のアンモニア合成が可能となり、設備の小型化、適地適量生産体制の構築につながる。また、これに伴い、アンモニアの輸送や貯蔵などサプライチェーンに係るコストや環境負荷の低減にも寄与する。

出資により、日本郵船はつばめBHBの革新的な技術の商業化をサポートし、環境負荷の低減に貢献する。また、アンモニアに関する同社の知見・技術力を深めることで、船舶用燃料としての活用のみならず、アンモニアサプライチェーンの構築を推進し、グリーンビジネスの創出に取り組むとともに産業全般の脱炭素化に貢献するとしている。

なお、アンモニアは、古くから肥料や化成品の原料として使用されている化学品だが、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されている。また、CO2を排出しないゼロエミッション燃料として注目されているCO2フリー水素を輸送・貯蔵するエネルギーキャリアとしても有望視されている。

日本郵船はこれまでに、アンモニア燃料タグボートの実用化に向けた共同研究開発、液化アンモニアガス運搬専用船及び浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備の共同研究など、舶用における次世代燃料としてのアンモニアの実用化およびエネルギーチェーンの構築を推進してきた。

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