ウェザーニューズは9月29日、海運業界向けのCO2排出量監視サービス「CIM(Carbon Intensity Monitoring)」をバージョンアップし、本格的に提供を開始したと発表した。
CIMは船舶のCO2排出量を可視化するサービスで、4月から提供を開始している。
今回のバージョンアップでは、航海時にWEBでリアルタイムにCO2排出量を把握できるようにしたほか、航海終了時にCO2排出量や燃料消費量、航行距離などから環境性能を評価できる機能を追加した。
国際海事機関(IMO)が温室効果ガス(GHG)の削減目標達成に向けた大型外航船の新規制「燃料実績格付け制度」を6月に採択したことで、船舶の環境性能は2023年からは船舶の年間平均燃費実績から評価されるようになる。そのため、船主や船舶管理会社では燃費対策が急務となっている。
バージョンアップしたCIMを活用することで、船主や船舶管理会社は所有する船舶のCO2排出量と環境性能をタイムリーに確認することができるようになる。
今後は、2022年中に最適航路選定を支援する「OSR(Optimum Ship Routeing)」サービスに、CO2を削減する環境性重視の航路・速度を選択できる機能を追加する予定。OSRとCIMと組み合わせることで、環境性を重視した航海とそれによる実際の排出削減量の可視化が可能になる。
なお、CIMについては日本海事協会から革新技術を対象とした新たな認証サービス「Innovation Endorsement」の製品・ソリューション向け認証で第5号認証を取得。同協会によってさまざまな構成や機能が検証され、同サービスの基盤技術が最新のデジタル技術を活用した革新的なソリューションであることが認証されている。