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DHL/ホワイトペーパー「循環性の実現がロジスティクス」

2022年01月27日/調査・統計

DHLジャパンは1月27日、DHLが気候危機や水資源・廃棄物といった課題を取り上げ、循環型経済がこれらの環境課題にどう作用するのかを考察したホワイトペーパー「循環性の実現(Delivering on Circularity)」を発行したと発表した。

<DHLホワイトペーパー「循環性の実現」>
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それによると、気候変動や環境破壊の兆候が、以前にも増して顕著になっており、増大する廃棄物による自然の生態系と人類への脅威は増加している。社会や企業が求められているのは、環境目標達成と両立可能な生産と消費行動を実行しサステナビリティを追求することで、より持続可能な未来へ貢献することとしている。

DHLのカーチャ ブッシュ チーフコマーシャルオフィサーは「循環性とは、5R:リデュース(削減)、リペア(修理)、リセル(再販)、リファービッシュ(再生)、リサイクル(再資源化)。循環型経済への移行は、サプライチェーンの再設計によって可能となると言える。革新的なロジスティクスソリューションは循環性の推進に貢献し、モノとデータの流れの両方を促進する重要な役割を担う。特に、生産量と材料の最適化、製品ライフサイクルの延長、新規モデルの立ち上げ、使用済み製品リサイクルのための新ソリューション開発にとっては必須と言える」と述べている。

ホワイトペーパーの一例として「ファッション・家電業界における環境課題」を取り上げ、両業界で循環性の実現がもたらす潜在的なポジティブインパクトが大きいと見込まれる理由として、「生産された衣料品の約20%が未使用となり、スマートフォンの買替サイクルは平均2~3年」、「両業界併せた温室効果ガス(GHG)排出量は世界全体の6%以上」、「電子機器の生産には、レアアースや金属など多くの非再生可能資源が必要」、「両産業が消費する資源量:土地利用(ドイツとスイスを併せた国土面積より広い)、 水消費(米国市民の年間水消費量の40%に相当)、発生廃棄物(欧州市民の年間廃棄量の約50%に相当)としている。

これに対して、「循環型社会への移行を成功させるための重要な原動力として、消費者行動の循環型へのシフトがあげられる。消費者行動の変化により、循環サイクルに加わる商品数が増え、ブランドに対して循環型製品に需要が存在すると示すことが可能になる。つまり、より持続可能な需要傾向が加速する」と、DHLカスタマーソリューションズ&イノベーションのカーステン リュッツェンキルヒェン シニアバイスプレジデントは述べている。

斬新な循環型ビジネスモデルは、製品やサービスのポートフォリオを多様化させるだけでなく、顧客エンゲージメントにもプラスの効果をもたらす。これは、サステナビリティが成長とイノベーションを促進するというWin-Winの構造だとする。

このほか、「ステークホルダーの集団行動が必要」では、すべてのステークホルダーがそれぞれの責任を負い、相互に強化し合うループを加速させれば、循環性は現実のものとなる。循環型社会への移行を成功させるには、共同で責任を負い共通の目標に向けた努力が必要だが、ロジスティクス関係者が果たすのは、その基幹的な役割。循環性は、直線から再生の輪へと材料や製品の移動方法を変えるものであり、モノの流れを効率的に管理すること、つまりロジスティクスそのものだとしている。

■ホワイトペーパー全文(英語)
https://prtimes.jp/im/action.php?run=html&page=releaseimage&company_id=20941&release_id=99

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