SHKライングループは3月3日、西濃運輸が昨年7月に横須賀-新門司間に新航路を開設させた東京九州フェリーを利用し、輸送を開始したと発表した。
今回の輸送は、西濃運輸の行うBCP(事業継続計画)対策の観点から、関東から九州への混載輸送に関して、東京九州フェリー(横須賀-新門司間)を定期的に利用して運送する取り組み。
この輸送は、東京九州フェリーの物流部門であるマリネックスの車両を利用して、1日1台(月曜日から金曜日までの週5台)で開始、新門司港到着後は、鳥栖市内のターミナルまで持ち込み、九州全域に3日目配達を行うスケジュール。
3日目配達は鉄道輸送と同様だが、陸路で災害が発生した場合でも、物流を止めることなく、荷物を顧客に届けられるメリットがある。
西濃運輸横浜南支店を出発地として横須賀港まで陸送(約15㎞)、横須賀港から新門司港まではフェリー輸送(約980㎞)、新門司港から九州西濃運輸鳥栖北支店まで陸送(約95㎞)の輸送となり、全行程の約90%が海上輸送で、リードタイムは1日目深夜に出発、3日目午前には到着する3日目配達を実現している。また、シャーシ輸送なので、フェリーでの輸送部分は無人車航送となる。
なお、フェリー輸送のメリットとして、大容量のスピード輸送を挙げている。就航船舶の車両積載台数は1隻当たり貨物車約154台、横須賀-新門司間は980㎞を約21時間で運航できる。安全・安定の輸送品質面では、就航船舶には船体の揺れを抑えるフィンスタビライザー(船体の両弦に装備された水平翼)があり、揺れの少ない輸送環境と運航の安全性を向上させている。また、冷凍車電力供給設備があり冷凍車の輸送も可能。
また、フェリーを利用することで、ドライバーの休息時間が確保できる。更に、トレーラを活用することにより、労働力の省力化と無人化が可能。今回の輸送については、トレーラ輸送による無人車航送で行う。そして海上輸送は、二酸化炭素(Co2)の排出量の少ない環境にやさしい輸送手段のひとつとなる。
その上で、災害時の機能継続や早期復旧機能の確立を図るため、BCP(事業継続計画)対策の観点からも利用をしてもらえることになったという。関東圏と九州圏の物流を止めないためにも、東京九州フェリーは、これからも物流の多様化のニーズに対応していくとしている。