日本郵船は4月6日、関連会社のKnutsen NYK Carbon Carriers AS(KNCC、クヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ)が、液化CO2を常温で輸送・貯留可能な貨物タンクシステム「PCO2 tank system」で、ノルウェー船級協会のDNVから船級認証を4月5日に取得したと発表した。液化CO2を常温で海上輸送・貯留可能な貨物タンクシステムが船級認証を取得するのは世界初という。
<「PCO2 tank system」を備えた液化CO2輸送船のイメージ>
「PCO2 tank system」は、液化CO2を常温(0~10度)の範囲と高圧下(35~45バール)で輸送することで、CCUS(CO2の回収・利用・貯留)のバリューチェーン全体を通じて発生するコストを削減し、液化CO2を低圧下や中圧下で輸送するコンセプトの船舶よりも大型の船型で輸送できることをコンセプトにしている。
<ノルウェー船級協会からの証書授与式の様子>
また、常温高圧で輸送は、液化CO2の輸送から海底や地底への注入まで、液化CO2の圧力、温度、状態を比較的均一に保つことが可能なため、CCUSバリューチェーンでの取り扱いが容易になり、チェーン全体を通じてのコストを削減できるメリットもあるという。
日本郵船では今後、KNCCで液化CO2輸送船の運航を早期に実現し、CCUSバリューチェーンへの参画を目指すとしている。
日本郵船ほか/常温昇圧(EP)方式のCO2液化・貯蔵プロセス実証実験