プロロジスは4月27日、埼玉県草加市で開発を進めていた「プロロジスパーク草加」が完成し、竣工式を開催した。
プロロジスパーク草加の総投資額は415億円。竣工式には、入居予定企業となる、日本通運の田中 旬執行役員、スズケンの大田 豊明執行役員、ヤオコーの川野 澄人社長のほか、草加市の浅井 昌志市長も参列した。
「プロロジスパーク草加」が立地する草加柿木フーズサイトは、東京中心部まで約20km、東京外環自動車道(外環道)と国道4号バイパス(東埼玉道路)の結節点近くに位置しており、外環道「草加IC」から約7km、「外環三郷西IC」から約 5kmと至近である。外環道は「三郷南IC」~「高谷JCT」間が開通し、千葉湾岸エリアと接続したことにより、物流の動脈としての機能が飛躍的に向上した。東埼玉道路は、国道16号と接続する計画で整備中であり、広域物流、地域配送のいずれにも利用可能な物流好適地である。
また、JR武蔵野線「越谷レイクタウン駅」より徒歩約13分(1.1km)と、徒歩でもアクセス可能な利便性の高い立地である。加えて、草加・越谷エリアは居住人口が多い地域であり、草加市は人口約25万人、開発地に隣接する越谷、三郷、吉川市の人口を合計すると約80万人に上り、豊富な雇用が期待できる。
草加柿木フーズサイトは、食品製造・加工等の企業が集積する産業団地として埼玉県企業局が整備・企業誘致を行った。
「プロロジスパーク草加」は、約7万m2の敷地に、地上4階建て延床面積約15万m2のマルチテナント型物流施設として開発された。中央車路とダブルランプウェイにより、45フィートコンテナトレーラーが各階へ直接アクセス可能である。最大約1万坪のワンフロアオペレーションが可能であり、大規模な自動化設備を導入しやすい仕様である。柱スパンは11m×11mを採用した。
1階は、草加柿木フーズサイトのコンセプトに合わせて食品関連企業の入居を想定。北側半分は、大規模な床かさ上げを可能な仕様とし、排水経路を確保することで食品工場やプロセスセンターとしての利用も可能とした。1階は4面にバースを備えるほか多数の4tトラック用駐車スペースを整備し、食品流通やスーパーマーケットに適した仕様とした。
環境負荷軽減への取り組みとして、施設屋根面に2メガワットの太陽光発電設備を備えて自家消費を行うほか、余剰電力の自己託送を行う計画である。通常のLED比で電気使用量を半減できる高天井用人感センサー付きLED照明(プロロジス共同開発)を採用し、入居企業の電気代削減にも寄与する。また、電気自動車用の急速充電設備を備えるほか、大型蓄電池の導入も計画している。これらの取り組みにより、CASBEE(建築環境総合性能評価システム) Aランク、BELSを取得するとともに、ゼロエネルギービルディング(ZEB)とする予定である。
働きやすさに配慮し、カフェテリアや売店等を備えるほか、周辺地域からの車通勤も想定し、駐車場を400台以上確保。通勤利便性向上のため、南越谷駅および越谷レイクタウン駅を経由する専用バスの運行も予定している。
さらに、感染症拡大防止の観点や利便性向上のため、1階エントランスホールに隣接した貸会議室を設け、外部からの来客が施設上階に入ることなく打ち合わせを行える環境を整えた。
プロロジスの山田 御酒会長兼CEOは「プロロジスパーク草加の竣工は、日本で110棟目、埼玉県で14棟目となる。外環道各ICからも近く、東京都心まで約20㎞と首都圏に限らず全国配送の拠点としても物流適地。BCP面ではさらに充実を図り、災害時にはこれまで72時間の非常用電源の確保が可能だったが、3日間では少ないということで、2万リットルのオイルの備蓄と太陽光パネル+蓄電池の設置で7日間分の非常用電源を確保した」と説明。
さらに、「このプロロジスパーク草加には2F・3Fにスズケンさんの低温倉庫が入ることになるが、これは同社が独自に設備を導入する予定で、これから1年以上工期がかかる予定。冷凍冷蔵倉庫の需要は多く、我々も取り組んでいるが、運営面も含め課題は多い。しかし、汎用型、つまりマルチテナント型の冷凍冷蔵倉庫は可能だと思っているので、今後開発することになると思う」と話した。
■概要
名称:プロロジスパーク草加
所在地: 埼玉県草加市柿木町字宝 1352-2
敷地面積:約6万8631.07m2(約2万760.89坪)
延床面積:約15万1747.88m2(約4万5903.73坪)
構造:地上4階建 柱RC+梁S造(免震構造)
着工:2020年11月
竣工:2022年4月