商船三井は5月20日、海上保安庁や国土交通省などの関係機関と合同で、官民連携海賊対処訓練を同13日に実施したと発表した。
<巡視船「みずほ」から見た「LNG MARS」(海上保安庁提供)>
訓練は、伊勢湾南方海域を航行中のLNG船「LNG MARS」が海賊船から追跡・接近を受けている想定で、緊急時の通信訓練を主体に実施。
海上保安庁の巡視船「みずほ」が現場に急行するなど緊迫感あふれる中、各関係先との情報伝達経路、伝達手段も含めた危機管理体制を確認した。
訓練の流れは、海賊船から追跡・接近を受けている 「LNG MARS」が、船舶保安警報を発信、同船の船舶管理会社、商船三井「安全運航支援センター」、海上保安庁に海賊遭遇を通報。
連絡を受けた船舶管理会社と安全運航支援センターは、直ちに状況を確認するとともに関係官庁に報告。
「LNG MARS」から報告を受けた海上保安庁は、付近海域を警戒中の巡視船「みずほ」を現場へ派遣。「みずほ」は「LNG MARS」と交信の上、状況を海上保安庁へ報告。海上保安庁は「みずほ」からの情報を船舶管理会社などの各関係者へ連絡。
「LNG MARS」が回避操船等の海賊侵入防止措置を実施したことにより、海賊船は追跡を断念。
「LNG MARS」は不審者が侵入していないか船上調査を「みずほ」に依頼し、「みずほ」の海上保安官が搭載ヘリコプターで「LNG MARS」に移乗し、船上調査の結果、本船の安全を確認した。
■訓練参加機関
海上保安庁、同庁巡視船「みずほ」
国土交通省海事局外航課
商船三井、LNG船「LNG MARS」
エム・オー・エル・エルエヌジー輸送(商船三井グループの船舶管理会社)
アジア海賊対策地域協力協定情報共有センター