LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





アマゾン、ヤマト運輸/サービスを変えないために、何を変えるか

2022年10月12日/SCM・経営

アマゾンは10月12日、新サービスの発表、ECの最新状況や明日から使えるお役立ちセミナーなど30以上のセッションを用意して「アマゾンECサミット2022」のライブ配信を開始、13日まで行う予定だ。

<ダグ・ハリントン ワールドワイドアマゾンストアCEO>
20221012amazon1 520x293 - アマゾン、ヤマト運輸/サービスを変えないために、何を変えるか

<アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長>
20221012amazon3 520x292 - アマゾン、ヤマト運輸/サービスを変えないために、何を変えるか

12日開催のECサミットでは、ダグ・ハリントン ワールドワイドアマゾンストアCEOから日本の販売事業者へのメッセージ、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長によるオープニング講演を皮切りにスタートした。

ジャスパー・チャン社長は、現在まで20か所のアマゾンフルフィルメントセンター(FBA)、45か所のデリバリーセンターの設置、2021年には様々な分野に日本市場で1兆円以上の投資、FBAを利用で30%の手数料を低下、といった具体的な数字を挙げてアマゾンの現在を説明。そして、コロナ禍やサプライチェーンの寸断、為替の問題、インフレと様々な課題が押し寄せているが、ジャスパー・チャン社長は「利便性、価格、品揃えといったこれまでのアマゾンのサービス特徴は今後も変わることなくフォーカスを続けていく」とし「地球上でもっともお客様を大切にする企業になることは、最も販売事業者を大切にする企業になることでもある」と話した。

<左がアマゾンの吉沢事業本部長、右がヤマトHDの長尾 裕社長>
20221012amazon2 520x292 - アマゾン、ヤマト運輸/サービスを変えないために、何を変えるか

続いて、アマゾンジャパンの吉沢直大セラーサービス事業本部 FBA&MFN事業本部長とヤマトホールディングスの長尾 裕社長との対談が行われた。コロナ禍の中、消費形態が大きく変化し、EC需要が増加を続けていることから、顧客へのサービスを変えないために、どう売り方を変えるのか、どう物流を変えるのかについて対談した。

吉沢事業本部長は販売事業者と顧客に対する利便性向上から、FBAパートナーキャリアサービスのヤマトオプションと、マーケットプレイスの配送サービスについて説明があった。

これについて、長尾社長は「この2つのサービスについては両社で連携して提供開始している。パートナーキャリアサービスは、FBAの納品タイミングが以前のように一定の荷量をためてから発送するのではなく、当社の6万人のセールスドライバーがいるので、このネットワークを使えば、少量・多頻度で便を発送することができる。よって、販売までのリードタイムを縮めることができるということで、高く評価いただいている。販売機会が増え、キャッシュフローが良くなり、ビジネスにとって大きなプラス効果を生んでいると思う。また、発送時の手間に関しても、宅急便の配送ラベルとFBAのラベルを一体型にするということで、バックオフィスの業務も削減している」と話した。

また、マーケットプレイスについては「このサービスも当社のセールスドライバーのネットワークを利用して集荷に伺うが、クロネコメンバーズに対しては、置き配を含めた受け取りの選択肢を利用でき、利便性を実感できるものとなっている。ネコポスも同様に利用可能」と長尾社長。

最後に、吉沢事業本部長から今後期待される取り組みについて尋ねられた長尾社長は「食品の領域がこれから有望だと思っている。当社のクール宅急便ではいかに鮮度を維持したまま届けるかで長い間食品会社とは付き合ってきた。いかに、ECに適したプロセスを作れるかが大切な要素だ。今、クール宅急便のさらなる利便性の向上を検討している。そして、単に荷物を運ぶだけでなく、顧客のビジネスにいかにプラスになるかを考えながら物流を通した価値提供に努めていきたい」と述べた。

吉沢事業本部長は「今後もヤマト運輸と連携し、コスト負担軽減、オペレーション効率化に継続的に取り組み、FBAと自社出荷の両面で、より多くの販売事業者に出品してもらえるように取り組んでいく」と話した。

関連記事

SCM・経営に関する最新ニュース

最新ニュース