フジトランスポートは2021年7月に、地場・中長距離配送を手がける九州トランスポートを譲り受け、コロナ禍の影響で減収していた中、さまざまな取り組みを行い、九州トランスポートがフジグループ入り1年後には、コロナ禍前の売上高に回復した。
このM&Aは、VisionalグループのM&Aサクシードが運営する法人・審査制M&Aマッチングサイト「M&Aサクシード」を通じて、 大型長距離輸送のフジトランスポートが 地場・中長距離配送を手がける九州トランスポートを譲り受けたもの。
九州トランスポートのフジグループ入り後の変化では、コロナ禍の影響で減収していたものの、長距離の大手顧客との取引ができるようになり、グループ入り1年後にはコロナ禍前の売上高に回復。宮崎県から首都圏に運送した復路の運賃を安く受託していたが、以前より約10~15%高い運賃での運送が可能になった。
また、GPS機能を活用し、空車率を低減。以前は首都圏ではガソリンスタンドで給油していたが、グループのインタンクを利用し、コスト削減(1リットルあたり約10円)。外部に委託していた車輌修繕を内製化し、年間数百万円の経費削減を実現。
さらに、ITシステム(運行・車両管理、請求、給与計算、人事管理を一元管理)を導入し、生産性を向上。フジグループから大型長距離ドライバー、本社勤務、熊本支店長を経た40代が代表に就任し、後継者不在問題を解決した。
九州トランスポートの吉村 卓司代表は、「コロナ禍の影響で減収になっていたところ、以前のレベルまで引き上げることができた。経営の改善が進んでいる。その要因は長距離かつ安定した顧客からの仕事をいただけていること。フジグループの一員になって、大手の顧客との取引ができるようになった。以前は3次・4次業者との付き合いが主だったが、今は私たちが1次・2次業者として業務を行っている。輸送便の内容をしっかりと精査して、運賃を安価に抑えられていた案件は避け、新たに顧客を開拓した。そういった努力や工夫によって、宮崎~東京間の帰り荷運賃を10%~15%アップできた」とコメント。
また「コスト削減については大きな変化があった。車輌修繕に対するグループでの内製化。これまで外注していたため、どうしても言い値になっていたところがあったが、適正価格で実施することができるようになった。また、もともとは宮崎以外に拠点がなかったため、県外ではガソリンスタンドで給油していたが、フジグループのインタンク(自社が有する燃料タンク)を利用することで、コスト削減(1リットルあたり約10円)を実現した。一連の効率化が進んだことで、従業員の給料をアップすることもできた。乗務員のワークライフバランスも安定してきた」と話している。
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