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霧島酒造、ニチレイロジグループ/焼酎製造副産物をリサイクル

2023年01月19日/3PL・物流企業

霧島酒造とニチレイロジグループ本社は1月19日、持続可能な循環型社会の形成を目的とし、霧島酒造が注力する焼酎製造副産物のリサイクル活動の一部において、協働運用を開始したと発表した。

<取り組みのスキーム>
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ニチレイロジグループは、南九州地区を中心に、霧島酒造が製造する焼酎の原料であるさつまいもの保管や流通加工業務を受託している。今回の取り組みは、流通加工業務の過程で発生する芋くずを、霧島酒造のリサイクルプラントに搬入してバイオガスを生成し、有効利用するもの。霧島酒造が注力する焼酎製造副産物のリサイクル活動に物流受託企業として初めて参画し、両社の協働運用が実現したもの。

霧島酒造から流通加工および保管業務を受託しているニチレイロジグループの鹿児島曽於物流センターでは、一部原料の受入から洗浄・選別・蒸し・急速凍結・保管までを行っている。これらの加工業務の過程で発生する芋くずについて、これまでは委託先の廃棄物収集運搬事業者を通じて、鹿児島県内の産業廃棄物処理施設で処分していた。

しかし、今回、宮崎県から県外産業廃棄物の搬入承認を受けたことで、発生した芋くずを宮崎県にある霧島酒造のリサイクルプラントへ運搬することが可能になった。リサイクルプラントでは、微生物を使って焼酎粕や芋くずをメタン発酵させ、バイオガスを生成している。生成されたバイオガスは、焼酎製造工程のボイラー燃料となるほか、電力へと変換(サツマイモ発電)し、工場や地域の電力としても活用している。今回の取り組みで新たにリサイクルが可能となった芋くずは月間30トン程度で、これはバイオガス発生量3000Nm3(ノルマル立米)に相当する。

霧島酒造の江夏順行社長は、「当社では長年、焼酎粕や芋くずなど、焼酎製造の副産物の有効利用を進めてきた。ただ伝統を守るだけではなく、当社にしかできない独自価値や社会的価値の提供に挑戦していきたいと考えており、2030年度までの工場・事務所のCO2排出量実質ゼロを宣言した。今後も持続可能な焼酎造りの全体構想「KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE~さつまいもを、エネルギーに。~」を環境活動のビジョンに掲げ、サステナブルな取り組みを推進していく」とコメント。

ニチレイロジグループの梅澤一彦社長は「当社は長年、霧島酒造の事業活動を支える物流パートナーとして、事業発展に力を尽くしてきた。顧客感動を生み出す商品サービスの提供や地域社会との共生を目指す両社が共に手を携え、今回の協働運用の実現に至ったこと、大変嬉しく思う。“だれやめ”を楽しみながら、ぜひ、焼酎製造の裏側にあるこの取り組みにも思いを馳せてもらえれば幸い」と話している。

なお、“だれやめ”とは、宮崎県の方言で、だれ(疲れ)をやめる(とめる)という意味から、焼酎を飲む晩酌のこと。

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