Phoxterは12月3日、ニチレイロジグループ本社のR&Dセンターに3Dシャトルシステムを納入し、コールドチェーン領域に適した自動化物流システムの実証実験を開始したと発表した。
-20℃の環境下でも安定稼働を可能にする先進技術を基盤に、次世代の低温物流モデルの検討を進めていく。
3Dシャトルシステムの特徴は、低温環境下での安定稼働だ。システムは、-20℃という厳しい環境下でも安定稼働するよう設計されている。従来は人手やフォークリフトに依存していた冷凍庫内の作業を自動化し、省人化と効率化を両立する。
保管効率の最大化も目指す。3Dシャトルは縦・横・高さの三次元で自在に移動でき、余剰通路を削減することができる。さらに、人手による管理が必要だった「固定ロケーション」を排し、ロボットによる「フリーロケーション管理」を実現。これにより同一面積でより多くのパレットが収容可能となる。
また、システム全体の最適化も図る。3DシャトルとAMR(自律搬送ロボット)を連携させることで、入庫から出庫までをデジタルで統合制御。保管と搬送を分断なく最適化し、柔軟かつ拡張性の高いシステムの構築を目指す。
さらに、動的な作業計画への移行も進める。3Dシャトル独自のシステムで庫内のパレット位置や数量をリアルタイムで把握し、需要変動やトラックの到着に応じて作業計画を即時に更新。従来の「静的・バッチ型」から「動的・リアルタイム型」へ転換し、変化に強い物流オペレーションを目指すことになる。
導入メリットとして、作業時間の削減、労働環境の改善と省人化、保管能力の拡大を挙げている。
同社では、物流効率化法改定を背景に、省人化・合理化の取り組みが加速しており、柔軟性と拡張性を備えたAMR・3Dシャトルシステムはその中核的な役割を担うと考えている。トラック待機時間の削減や共同配送の推進といった社会的課題の解決に向け、作業順序をダイナミックに最適化する仕組みの実現を目指す。導入を契機に、搬送効率化の最適解を追求し、「ホワイト物流」の実現に貢献する仕組みづくりを進めていくとしている。
日立製作所/ニチレイ・アイスの生産・在庫・輸送の計画立案時間70%削減
