センコーは2月15日、グループ企業間IT点呼（遠隔点呼）を1月1日から開始したと発表した。
＜センコー守山PDセンターに設けた集中IT点呼センター＞
IT点呼とは、自動車運送事業者が安全な運行を行うため、通常は運行管理者がドライバーと対面で健康状態などの確認を行うところ、パソコン等のIT機器を用いて非対面で行うもので、安全性優良事業所（Gマーク取得営業所）のみが実施できる。
今回の取り組みでは、滋賀にあるセンコー守山PDセンターに集中IT点呼センターを設け、同拠点や愛知、三重、滋賀、石川、福井、富山の6県・グループ企業3社（東海センコー運輸、三重センコーロジ、北陸センコー運輸）の計8拠点に対して、遠隔点呼を一括して実施している。
このような取り組みは、近畿エリアで業界初の事例。親拠点を集中IT点呼センターとして点呼を一括して実施することで、点呼体制の強化と効率化につながり、さらに管理者の労働時間削減で働き方改革にも寄与している。
センコーでは、今回の取り組みを皮切りに、今後は他のエリアにも親拠点を新設し、センコーが管轄するグループ企業全体で遠隔点呼ができる体制を構築して、グループ全体で運行管理のレベルアップと点呼体制の安定化、働き方改革につなげていく考え。
これまで、ドライバーのIT点呼業務は国土交通省の定めによって同一企業内に実施が限定されていた。また、グループ会社の小規模な営業所では、休日や深夜・早朝のトラック運行のために必要な点呼者を確保するため、管理者の休日出勤や時間外労働が発生しており、点呼者の高齢化で安定した点呼体制を構築することも課題となっていた。
そこでセンコーは2016年から同社が中心となり、同一企業に限らずグループ企業間でのIT点呼を可能にする法制化を国土交通省に働きかけ、2022年4月に法制化が実現した。
