タイのCP(チャロン・ポカパン)グループ、トヨタ自動車、CJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)は4月3日、タイでのカーボンニュートラルの実現に向けた協業を進めるべく、基本合意書を締結した。
<写真左から小木曽 聡日野自動車社長 CEO、片山 正則いすゞ自動車会長 CEO、中嶋 裕樹CJPT社長、佐藤 恒治トヨタ社長 兼 CEO、Dhanin Chearavanont CP上級会長、Soopakij Chearavanont CP会長、Kachorn Chiaravanont True Leasing Co., Ltd 社長 兼 CP執行役員、Narong Chearavanont CP上級副会長、Supachai Chearavanont CP CEO>
CPとトヨタ、CJPTは、CPのDhanin Chearavanont上級会長とトヨタの豊田章男社長(当時)の深い信頼関係のもとで締結された昨年12月の合意に基づき、タイ国民6700万人の幸せに向けてどのような貢献ができるのか、「想いを同じくする仲間とみんなで、今すぐできることをする」を合言葉に、年内に社会実装の成果を出すことを目標としてきた。
養鶏場のバイオガスから水素を製造、カーボンニュートラルモビリティ試乗会を開催し、さらに協業範囲を広げ、エネルギー、データ、モビリティの3領域で、タイの資源を活かし、タイならではのカーボンニュートラルへの取り組みを進めていくことで合意に至ったとしている。
まず「エネルギーソリューション」では、バイオマスや廃棄食料など、これまで見過ごされてきた資源を活用した水素製造や、他国に先行する太陽光や風力を活用した発電など、タイの豊富な資源を活用することで、タイならではの再生エネルギーを活用していく。
「データソリューション」では、コネクティッド技術の活用による、積載効率向上や配送ルートの最適化を通じた、物流・人流の効率化を図る。発展著しいタイの通信基盤と、CPとCJPTの有するビッグデータを活用することで、モノの流れや人の流れを効率化し、「今すぐできるCO2低減」を実現する。
「モビリティソリューション」では、タイのエネルギー事情や経済状況、走行距離や積載量といった使われ方に応じ、HEVやBEV、FCEVなど様々な電動車を提供し、より低燃費な車両への置換を含め、多様なニーズに応えながら着実にCO2を低減していく。
また、上記領域に「今すぐ取り組む」ために、タイの経済特区において、エネルギーを「つくる」・「はこぶ」・「つかう」自立循環型の社会実装を実施し、効果を検証、他の地域にも展開できる原単位を作ることに取り組む。さらに、実際に協業を通じて削減できたCO2量をもとに、タイ全土に広げた際の効果を算出し、カーボンニュートラルへの取り組みを可視化することにも挑戦していく。
今回の取り組みについて、CPのSoopakij Chearavanont会長は、「タイに恩返ししたいという強い想いで進めてきた検討が順調に進展していることを大変心強く思っている。今回合意したプロジェクトを着実に実行に移すとともに、今後も志を同じくする仲間がいれば、オープンな姿勢で協力していきたい」とコメント。
トヨタの佐藤恒治社長は、「昨年12月にCP、トヨタのトップが合意して以降、『今すぐできることをみんなでしよう』という協業の原点を大切にしながら検討を進めてきた。前回公表から4か月にも満たないタイミングで協業を次のステージに進められることを、大変うれしく思う。『あらゆる選択肢』を通じ、タイの実情に合ったカーボンニュートラルへの『山の上り方』をともに考え、タイ国民に幸せを届けるべく、取り組んでいく」との想いを語った。
また、CJPTの中嶋裕樹社長は、「CJPTは今回の協業を通じ、タイの人流・物流を改革しながら、今すぐできるCO2削減に、様々な仲間とともに取り組んでいく。タイ社会への感謝の気持ちを大切にしながら、人々の生活の質の向上に貢献していきたい」と話した。
今回の協業は、CPの交通サービス事業を担うTrue Leasing Co., Ltdの参画のもと、進められる。