LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





日本郵船/有人自律運行システムを試験導入した新造船が竣工

2023年04月28日/IT・機器

日本郵船は4月28日、同社が建造発注した石炭専用船「しらなみ」が、本田重工業の佐伯工場(大分県佐伯市)で竣工したと発表した。

<竣工した「しらなみ」>

20230428nihonyusen 520x346 - 日本郵船/有人自律運行システムを試験導入した新造船が竣工

同船は2022年7月に竣工した内航石炭専用船「うしお」の姉妹船で、国土交通省が実施している「海事産業集約連携促進技術開発支援事業」の一環として、船舶の有人自律運航の実現に向けて航海系、機関系それぞれに新システムを試験導入した。

航海系では、カメラによる視覚的情報と、各種センサー情報の統合によって周囲の船舶交通情報の信頼性を向上させ、それを元に避航計画の立案を行う航海当直サポート機能を導入。今後は実証実験を行い、その結果と「うしお」の運航データを元に更なる有人自律運航の安全性向上を目指す。

機関系では、同船機関の陸上管理システムとシミュレーション技術を活用した独自のシステムを採用。機関の異常検知に加え、異常原因の推定が可能になることで、安全運航と乗組員の作業負荷の軽減に貢献する。

同船は一番船の「うしお」と同じく、JERAと当社の運送契約に基づいて同社関連会社のアジアパシフィックマリンが運航し、海外から外航船で東京湾内の中継基地に輸送された石炭を、横須賀火力発電所向けに供給する2次輸送に従事する予定。粉じん対策のため、貨物倉の蓋に該当するハッチカバーを密閉して揚げ荷役を行うことができるなど、環境に配慮した設計となっている。

同社グループは、同船の運航を通じて引き続き外航海運分野と内航海運分野をシームレスに連携させたサービスを提供するとともに、東京湾内の効率的な2次輸送ネットワークを実現し、エネルギーの安定輸送に貢献する。また、内航海運業界で今後懸念される船員不⾜、長時間労働の解決も視野に入れ、関連会社と協力して技術による社会問題の解決を目指すとしている。

■概要
全長:126.99m
全幅:24.00m
総トン数:9714トン
載貨重量トン数:8628トン
造船所:本田重工業
船籍:広島県東広島市

関連記事

IT・機器に関する最新ニュース

最新ニュース