ミスミグループ本社は4月2日、パンチ工業の物流を3PLとして受託し両社の物流拠点となっている「ミスミ東日本流通センター」(神奈川県川崎市)で、DXや自動化の成果が出ているとして内部を公開した。
<ミスミ東日本流通センター(4・5階)が入る「ロジポート川崎ベイ」外観>

ミスミは、ファクトリーオートメーション事業や金型部品事業を行い、他社商品も扱う商社の顔も持つ。パンチ工業は、金型部品や特注機械部品などの製造・販売を行う。
事業の親和性が高い企業どうしオペレーションを共同化し、物量を集約することで、両社の物流効率最大化とコスト削減を同時に実現しようと、2024年10月、資本業務提携契約を締結している。
「ミスミ東日本流通センター」は、5階建て施設のうち4階と5階を利用した、延床面積10万1146m2の拠点。40万点の在庫能力があり、ミスミグループ最大の出荷拠点だ。
ミスミは棚搬送ロボットや自動計数ピッキングカートなど、DXに注力し自動化設備の活用を進めており、これらは物流機能を委託するパンチ工業にとっても魅力だったという。
<画像デジタルピッキングカート>
中でも「画像デジタルピッキングカート」は、ねじ、ボルト、ナットなど多様な商品を扱い、出荷形態も1個(バラ)から数千個(パックや箱)までさまざまなことから、効率よくピックできるようミスミが開発・製造した。
画像認識システムを導入し、照明の上に置かれた商品をカメラで撮像。画像処理することで商品をカウントする。カウント結果は累積加算でき、大量でも小分けして作業できる。
トレーに商品を並べるだけで瞬時に個数が自動解析され、必要数と突き合わせるため、カウントミスも防げるシステムだ。
特にカウント数量が多い場面では威力を発揮。「なべ小ねじ(単重量0.15g)」「4000個」という注文が入ったケースで作業時間を比較すると、人手で155分50秒、重量秤で37分45秒かかったのに対し、画像デジタルピッキングカートでは6分45分で済んだという。
袋包装された物や重なりやすい薄型品など、画像認識に向かない商品の場合は、計量タイプのデジタルピッキングカートを用い、使い分けている。
<自動棚>
商品の入出荷には自動棚を導入し、コンテナが作業者のもとへ搬送される「Good-to-Person」ソリューションを採用した。
ギークプラスのAGV76台と保管棚490台を整備し、作業者が8基のピッキングステーションで稼働している。ステーションの前にはプラスオートメーションのソートシステムを組み合わせ、より効率化を狙う。今後、ステーションを11基に拡張し、AGVは114台、保管棚は600台に増やす計画だ。
こうした自動化の取り組み成果として、2026年1月の実績値によると、トラックの荷待ち・荷役時間は月間110時間短縮。10tトラック216台分/月の削減につながった。
またピッキングオペレーションの効率化により、総労働時間は20日換算で月820時間から546時間へ、274時間/月減少した。
センター公開にあたり、ミスミの宮本雄介 本社執行役員 金型ビジネス・ハブ社長は、「両社の物流を統合したことでスケールメリットが働き、自動化の効果も出てきた。同じようなメーカーなどにサービス提供できる可能性も広がったと思う」。
パンチ工業の鶴間文雄 執行役員 DX・システム・調達担当は「両社で扱う商品が似ており自動化もしやすかったと思う。これまでは競合する関係だったが、日本の金型業界の持続性を担保するうえでも共同化の意義があった」などと話した。
■ミスミ東日本流通センター
所在地:神奈川県川崎市川崎区東扇島7-1 ロジポート川崎ベイ(4・5階)
延床面積:10万1146m2
取り扱い:国内・海外
在庫能力:40万点
従業員数:約530人
ミスミ/パンチ工業向け3PL開始、川崎市に物流拠点統合し効率化

