セイノーホールディングス（セイノーHD）は5月18日、「江丹別地域の事業者が連携し、生産した産品を自分たちで集約・梱包して、路線バスに貨客混載して市街地へ輸送する」地域内輸送プロジェクトが始動したと発表した。
＜右よりセイノーHD河合秀治執行役員、ブルーチーズドリーマー 伊勢正平代表、道北バス 佐々木求社長＞
＜実際に貨客混載をした道北バスの路線バス＞
＜バスに貨客混載した商品の積載状況＞
＜PJTのフレーム図＞
これは旭川市内数社で構成する「道北集約出荷・地域配送改善プロジェクト（PJT）と、旭川市江丹別町と同市内中心部を結ぶ唯一のバス路線を運行する道北バスが連携。集荷（ファーストワンマイル）での共同配送のしくみを構築し、江丹別地域で生産された国際線ファーストクラス機内食にも採用された「江丹別の青いチーズ（ブルーチーズ）」などの産品の江丹別地域内での集荷及び、路線バスへの積み付けを生産事業者自らが行う貨客混載輸送で、出荷するプロジェクトを5月17日より開始したもの。
この取組により、3つの課題解決が期待されている。まず、地域課題として路線バスの存続→定期的な運賃収入増加により存続に寄与すること。業界課題として2024年問題（時間外労働規制）、輸送ドライバー不足を解消。そして環境課題として、CO2削減→既存バス路線の活用により各社の集荷車両のCO2削減を図る事だ。
なお、旭川地域での貨客混載輸送を実現するため、セイノーHDが全面的に物流業界内の調整を行い、2022年6月から各事業者が個々に発送を行っていたものを一括してセイノーHDが受託することで、発送業務の改善を含めた最適な配送手段で顧客まで確実に届ける仕組みを構築し、今回の貨客混載輸送を組み合わせることで、さらに業務改善を図る予定だ。
そして、現在、全国各地で貨客混載輸送が取り組まれているが、そのほとんどは「配達」を目的とした取組。このプロジェクトは、出荷に関係する全員に業務効率改善、コスト削減などのメリットがある仕組みと持続的な人流と物流のインフラがどうしたら作れるかを検討していた。そこで、宅配事業者ではなく、地元事業者が主体となって、「配達」ではなく「出荷」することにより、地域課題、業界課題、環境課題の３つの課題解決を進め、今後、この取組への参加事業者の拡大や他地域への展開を目指すとしている。
