山九は5月18日、海外現地法人の山九シンガポールがシンガポール西部のトアス地区に「トアス物流センター（仮称）」を建設すると発表した。
＜完成予想図＞
同倉庫は、既存倉庫の建て替えにより施設面積をこれまでの2.2倍に拡張し、東南アジア域内で同社最大級の物流センターとして2025年9月の開設を予定している。
トアス地区を中心としたバイオメディカルや医療・医薬関連の物流需要の取込みをターゲットに、全フロアに22度前後の温度帯管理機能を完備し、保管効率の高いVNA（Very Narrow Aisle）型物流センターとする計画だ。VNA型とは、通路幅の狭い高層ラックを備えた物流センターのこと。同倉庫は12m／階のラックを設置するほか、自動フォークリフトを導入し、省力化を可能にする。
さらに、シンガポール政府が計画中のトアス新港に近接する利便性を生かし、同国での国際物流貨物の需要を取り込む予定。同港には国内に分散する5つのコンテナターミナルを集約する計画で、第1期が2023年9月に開業し、順次拡張し2027年には一本化。最終的には2040年までに6500万TEU／年の取扱い（現状の約2倍）を目指している。
また、山九グループのサステナビリティ基本方針にもとづき、屋上にソーラーパネルを設置し、倉庫で使用する電力の一部を賄うことで、CO2排出量の削減に寄与する。
■トアス物流センター（仮称）概要
所在地：Tuas Avenue 13 Singapore 638389
開設時期：2025年9月
敷地面積：1万9230m2
施設面積：3万7975m2（うち事務所1253m2）
構造：鉄筋コンクリート4階建て
機能：全フロア温度管理（22度±2度）
設備：VNAラック、ソーラーパネル、垂直搬送機4台、荷物EV2台
