日本郵船は7月31日、グループ会社で船員向け金融プラットフォーム事業「MarCoPay(マルコペイ)」を運営するMarCoPay(マルコペイ社)が、三菱自動車工業のフィリピンでの製造・販売子会社であるMitsubishi Motors Philippines Corporation(MMPC社)と業務提携し、MarCoPayのモバイルアプリ上で、フィリピン人船員向けの新車販売を促進する取り組みを同日から開始したと発表した。
マルコペイ社は、船員やその家族、関係者が抱える課題を解決し、彼らの生活を支えて豊かにすることを目指して2019年に設立。船員の自動車ローンの承認率向上を目指し、フィリピン国内の銀行と提携して「MarCoPay提携ローン」の提供を2022年から開始しており、同ローンでは、マルコペイ社が船員と銀行を仲介して自動車ローン承認に向けた交渉を行ったり、フィリピン国内最低水準の金利条件で自動車ローンや自動車保険商品を取り揃えるなど、船員にとって多くのメリットを提供している。
今回のMMPC社との業務提携では、MarCoPayアプリ内に船員が三菱自動車の新車購入の相談と「MarCoPay提携ローン」の申し込みができる特設ページを設置する。また、同ローンを利用して三菱自動車の車を購入した船員に対して特典や期間限定のキャンペーンを提供するほか、MarCoPayアプリ内やマルコペイ社が使用する外部広告媒体に船員向けの広告を掲載するとともに、フィリピンでの船員集会などに参加し、船員に対して両社のサービスや提携の周知を図る。
これらの取り組みにより、フィリピン人船員のローン承認とマイカー購入の双方を力強く後押しし、船員の生活水準の向上を目指す。
フィリピンは世界有数の船員供給国で、日本商船隊に現在乗船中の全船員の7割にあたる約4万人をフィリピン人が占めている。通常、外航貨物船の船員は、数か月から半年以上の期間にわたる乗船を終えたのちに下船し、一定期間休暇を取ったあと、また乗船するというサイクルを繰り返す。
フィリピン人船員の間では、家族と休暇を有意義に過ごすための自動車を購入するニーズが非常に高い一方で、船員が乗船ごとの期間雇用者とみなされたり、国外就労者と分類されて煩雑な書類準備を課されることなどから、自国の平均を大きく上回る高所得者層でありながら、自動車ローンを申請しても銀行で承認されにくかった。
今後、マルコペイ社は提携銀行との連携をさらに強化し、「事前承認制度」など、自動車購入を検討する船員がよりスムーズかつ高い確率でローンを取得できる仕組みの構築を目指すとしている。
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