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TRC/東京・平和島に20万m2超の大型物流施設「新A棟」完成

2023年08月28日/物流施設

東京流通センター(TRC)は8月28日、東京・平和島の東京流通センター構内で建設を進めていた「新A棟」の竣工式を実施。完成した同施設の内部を初めて公開した。

<新A棟外観>
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新A棟は、地上7階建て(7階は屋上駐車場)延床面積20万2000m2のマルチテナント型物流施設。東京流通センターの開設当初に建てられた物流ビルA棟(1971年竣工)を建て替えたもので、2017年に竣工したB棟(地上6階建て延床面積17万1300m2)に続き、東京流通センター内で2件目の再開発事業として建設された。竣工時点で、全体のうち約半数の区画の入居企業が決定している。

<多用途を想定してオフィス並みのグレード感を持たせたエントランス>
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<中央車路>
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大型のマルチテナント型物流施設かつ、中央車路型のダブルランプウェイという点はB棟と共通。大きな違いは、小・中・大と区画規模に幅を持たせている点にある。新A棟では、都心に隣接し、東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分、首都高速羽田線「平和島出入口」から車で1分、羽田空港から車での10分という立地から、倉庫だけではなく、オフィスやショールーム、流通加工場、メンテナンスセンターなどとしての利用を想定しており、用途や事業規模に応じて最適な広さの区画を選べるよう、下層階(1~3階)を小規模区画、中層階(4階)を中規模区画、上層階(5・6階)を大規模区画とした。

<標準区画(1436.59m2、435坪)>
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<新A棟で最小となる476.40m2(144坪)の区画>
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<歩廊>
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中でも特徴的なのは、全区画中最小となる476.40m2(144坪)の区画だ。新A棟で最も数が多い標準区画(1436.59m2、435坪)の区画の約3分の1となる同区画は、少量保管やスタートアップ企業など、標準区画よりも狭い面積に対するニーズに応えたもの。B棟を管理運営するうえで、こうしたニーズが多いことに着目し、新A棟の仕様に取り入れた。また、B棟では全フロアに設置している屋外歩廊についても、新A棟では人の出入りが多い傾向にある小規模区画の1~3階にのみ設置するなど、B棟運営で得たノウハウを生かしている。

<屋上駐車場>
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<屋上広場「スカイテラス」>
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<1階には男・女専用に加えてジェンダーレストイレも整備>
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B棟との違いは屋上の使い方にも表れている。B棟では屋上に太陽光パネルを設置したが、新A棟では屋上を駐車場として活用し、東京流通センターで不足気味な駐車場のキャパシティーを確保した。新A棟の駐車場は乗用車用242台、トラック用200台の計442台分を整備してあり、月極で貸し出す。また、新A棟の屋上には開放感のある屋上広場「スカイテラス」も整備しており、ワーカーが休憩等に利用することができる。

このほか、新A棟の共用部には、休憩室(施設の南北に各1か所)やコンビニエンスストア、コインシャワーが設けられている。入居企業は、これらの設備のほかにも、東京流通センター内の別棟にある飲食店やコンビニ、クリニック、郵便局などを利用することも可能だ。

<テープカット>
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<東京流通センターの有森社長>
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内覧会後の会見では、東京流通センターの有森 鉄治社長等が登壇し、記者の質問に答えた。

新A棟について、有森社長は「東京流通センターが培った50年以上の管理運営のノウハウをフルに活用し、都市型の物流施設として多種多様なニーズに対応することを非常に意識した」と語った。

また、特徴である小規模区画の設置については、「旧A棟とB棟には大小さまざまな区画を設けていた。再開発後も高付加価値施設としてのロケーションにマッチした拠点として、多様なニーズに応えることは東京流通センターの社会的使命だと考えている」と述べたほか、「スタートアップには、通勤の利便性などロケーションを重視する企業が多く、求める面積も小規模が多い。新A棟には物流系のテック企業も入居を予定しており、彼らの技術を他のテナント企業に紹介することで改善に役立てるという好循環が生まれる」と、テナント間でのシナジー創出にも期待を寄せた。

■「東京流通センター 新A棟」概要
所在地:東京都大田区平和島6-1-1
交通:東京モノレール「流通センター」駅徒歩1分
首都高速1号羽田線「平和島」出入口1km
首都高速湾岸線「大井南」出入口3km
公法規制:準工業地域・流通業務団地
延床面積:20万2000m2
規模:地上7階建・屋上駐車場
構造:RC-S造・免震構造

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