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日本GLP/冷凍冷蔵施設、食品EC拡大で内陸にも開発機会

2023年11月27日/物流施設

日本GLPは11月24日、東京・八重洲の本社オフィスで、冷凍冷蔵物流施設に関する記者向けの説明会を開催した。

説明会では、冷凍冷蔵物流施設の市場環境と、同社による今後の事業展開が担当者によって語られた。

<日本GLPの冷凍冷蔵マルチテナント型物流施設「GLP 神戸住吉浜」>
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同社によると、冷凍食品の国内消費量は2013~2022年の間に年平均2.4%で成長し、なかでも家庭用の成長率は同4.0%と高い伸び率を見せている。これは、共働き世帯の増加や、コロナ禍の巣ごもり消費を経た冷凍食品の利用機会の増加によるものだ。これに対して、冷凍冷蔵倉庫の庫腹量も右肩上がりで増加しており、成長率は2013~2022年の間に同2.8%で推移しているが、冷凍食品の伸びに対して倉庫の庫腹が不足する状況が続いている。

こうした環境のなかで、日本GLPは2017年に冷凍冷蔵物流施設の専門チームを組成し、開発に着手。常温(ドライ)のマルチテナント型物流施設の一画を冷凍冷蔵仕様に変更できる「後付け型」から冷凍冷蔵物流施設の開発に着手し、近年では「(仮称)GLP六甲V」や「GLP神戸住吉浜」といった1棟全体が冷凍冷蔵の施設も開発。同社による冷凍冷蔵物流施設の開発は、予定を含め10月末時点で全国29棟・総面積約35万m2(うち賃借済みは約21万m2)に及んでおり、国内の主要な冷凍冷蔵倉庫事業者と肩を並べる規模になっている。

<営業開発部の伊藤 晋シニアマネージャー>
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冷凍冷蔵物流施設事業について、日本GLP 営業開発部の伊藤 晋シニアマネージャーは、「冷凍冷蔵倉庫業界では寡占率が低く、中堅や中小の企業が多く存在する。これらの企業は、大規模な投資が必要となる冷凍冷蔵倉庫を自社で立てることが難しく、そこに当社の事業機会がある」と語る。

冷凍冷蔵倉庫事業者は自前で倉庫を持つケースが多い一方で、冷凍冷蔵倉庫には多額の建設費用がかかり、昨今の建築費の高騰も相まって新築や建て替えが困難になっている。また、従来型の冷凍冷蔵倉庫には在庫回転の遅い商品を扱う保管型の施設が多く、近年に市場が伸びている家庭用冷凍食品を扱う店舗配送向け等で利用するには、荷捌き場のスペースやトラックバースが不足するといった問題もある。

こうした問題に対して、日本GLPは冷凍冷蔵専用のマルチテナント型施設を開発することで、問題の解決に寄与しようとしている。同施設では、冷凍冷蔵設備の投資まで同社が負担し、賃料に転嫁することで、テナント企業による投資負担が軽減される。また、契約期間や区画面積も常温のマルチテナント型施設と同様の条件で提供することで、中小の冷凍冷蔵倉庫事業者でも施設を借りやすくしている。

施設のバリエーションは、トラックバースの数を増やして多頻度入出庫に対応させた「流通型」、BOXタイプの建物で保管効率を高めた「保管型」、常温施設の一部区画に後付けで冷凍冷蔵設備を設置する「後付け型」の3つを展開し、幅広い需要を取り込む。

現在、開発・運営中の施設としては、関西で流通型の「GLP神戸住吉浜」(2025年2月竣工)、保管型の「(仮称)GLP六甲V」(2024年3月竣工)、後付け型の「GLP ALFALINK茨木1」(2024年7月竣工)と「同3」(2025年7月竣工)の開発を進めているほか、関東では後付け型の「GLP ALFALINK相模原1」(2021年8月竣工済み)と「GLP ALFALINK流山8」(2021年8月竣工済み)を運営中。このほか、東西で合計5物件の開発を予定している。

今後の冷凍冷蔵物流施設の開発について、伊藤シニアマネージャーは、「賃貸向け冷凍冷蔵物流施設が認知され、ここ1~2年で市場が立ち上がり始めている。今後は従来からの港湾部の土地に加え、小売店への店舗配送の拠点として内陸部での開発機会を狙っている。追従してくるであろう同業者に負けないよう、顧客のニーズにあった立地の土地を確保していく」とコメント。

<松脇 隆 常務執行役員 営業開発部管掌>
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また、松脇 隆 常務執行役員 営業開発部管掌は、「食品ECの拡大やふるさと納税の返礼品などの需要が増え、冷凍冷蔵倉庫に対するニーズは増えている。一方で、倉庫会社では既存の倉庫が満室で、新規業務を受け入れる余地がない。当社に対する冷凍冷蔵物流施設への要望は年々増加しており、施設のテナントにもなる倉庫会社と一体になって冷凍冷蔵物流施設の市場をつくっていきたい」と語った。

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