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欧州委員会/陸路、鉄道の貨物輸送で手続きの要件を変更

2024年01月09日/国際

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欧州連合(EU)は1月9日、新しい税関到着前セキュリティ・安全プログラム「輸入管理システム 2(ICS2)」の第3段階(フェーズ 3)を、2024年6月3日から導入すると発表した。

これにより EU内の海上、内陸水路、陸路、および鉄道での貨物輸送に際して、新たな手続きが導入される。フェーズ3は、フェーズ2で同様の要件がすでに施行されている航空輸送に加え、その他すべての輸送手段に対して貨物情報の事前報告を義務化することで、より安全でセキュリティ性の高い輸入リスク管理を目指す。

新しく導入されるICS2のフェーズ3では、海上・内陸水路、陸路および鉄道輸送業者が、搬入略式申告(ENS: Entry Summary Declaration)を行い、EU内に輸送される、あるいは EUを経由するすべての貨物情報を事前に申告する必要がある。この義務は、上記の輸送手段を使用して貨物を輸送する郵便事業者および宅配業者、ならびに運送業者などその他の事業者にも適用される。さらに、特定の状況においては、EU内の最終荷受人にもENSのデータを ICS2に提出する義務が課せられる。

事業者は、遅延やコンプライアンス違反のリスクを回避するために、フェーズ 3の事前準備をしておくことが強く推奨されている。また、顧客から正確かつ完全なデータを収集すること、ITシステムと業務プロセスを更新すること、およびスタッフへの適切なトレーニングを提供することなどが求められる。さらに、2023年12月11日より、事業者はICS2に接続する前に、税関当局にアクセスしメッセージを交換する能力を検証するための適合テストを受ける必要がある。

事業者がICS2に対応する準備が整っていない場合、EU加盟国は、要請に応じて、所定の期間内における事業者の段階的なICS2への対応を許可することができる。加盟国が許可できる移行期間は、海上・内陸水路輸送業者が、2024年6月3日から2024年12月4日まで。海上・内陸水路ハウスレベルの申告者は2024年12月4日から2025年4月1日まで。陸路・鉄道輸送業者は2025年4月1日から2025年9月1日まで、となっている。

事業者が定められた期限までに準備が整えられず、ICS2で要求される必要なデータを提供できなかった場合、対象貨物はEU国境で止められ、税関当局によって通関が拒否される。

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