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セイノーHD等/岩手県岩泉町でドローン配送実証実験を実施

2024年02月15日/3PL・物流企業

岩手県と、岩泉町、エアロネクスト、NEXT DELIVERY、セイノーホールディングス、KDDIスマートドローンは2月15日、岩泉町でドローンを活用した中山間地域の課題解決に係る実証実験を同月13日に実施したと発表した。

<実証実験に使用した物流専用ドローンを前に集合写真>
20240215seino - セイノーHD等/岩手県岩泉町でドローン配送実証実験を実施

実証実験は、NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携して、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流”SkyHub“の社会実装の検討に向けて行われたもの。人口減少や少子高齢化が進んでいる中山間地域での買い物困難者への対応、物流停滞が懸念されている2024年問題、災害時の孤立問題や急務な物資輸送の課題などの解決に繋がるドローン配送の社会実装に向けた検証を実施した。

機体はエアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使用し、機体の制御にはKDDIスマートドローンが開発したモバイル通信で機体の遠隔制御・自律飛行を可能にする「スマートドローンツールズ」の運航管理システムを活用した。

<お菓子とドリンクを搭載して着陸する物流専用ドローン>
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2月13日は2本のフライトを実施。1本目は地元企業の協力のもと、岩泉町役場から猿沢地区(荷受け人敷地)まで片道9.1kmをドローンが26分かけて飛行し、書類を配送。2本目は岩泉町役場小川支所から救沢公民館までの片道2.5kmを約6分で飛行し、お菓子とドリンクを配送した。

ドローンで配送されたお菓子とドリンクを受け取った住民の後藤和子さんは、「普段は家族が運転する車で買い物に行っているため、(ドローン配送によって)便利になった。距離があるので重い物等を宅配してもらえたら嬉しい」とコメントしている。

<ドローン配送されたお菓子とドリンクを受け取った後藤和子さん>
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実証実験は「令和5年度岩手県中山間地域におけるドローンを活用した地域課題解決に係る実証実験等業務」として採択を受けている。

岩泉町の総人口は8013人(1月末現在)。面積は99.23haと本州一の広さで、狭隘な山間地に基幹地区と小規模集落が点在しており、食料品アクセス困難人口の割合(2015年時点)が県内で唯一 40%超と、全国平均24.6%と比べて非常に高い水準になっている。

町の中心部である岩泉地区から主な基幹地区のうち、安家地区までは急勾配が続き、車で40 分(21.5km)、また有芸地区までは狭隘な道を車で35分(18.4km)かかるなど、買い物等の日常サービスの利用に不便が生じていることが課題となっており、このような背景から、ドローンを活用した買い物弱者対策による日常生活の利便性の確保、岩手県産業の生産性向上等に資するさまざまなドローンの活用方法などを検討し、持続可能な活力ある地域の実現を目指すことを目的として実証実験を実施した。

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