NECは2月19日、不規則に配置された物品に対して精密なハンドリング作業を可能にするロボットAI技術を開発したと発表した。
同技術には、ロボットがある行動の結果として実世界で何が起こるかを、現実に試すことなく予測することを可能にする「世界モデル」と呼ばれる技術を応用。ロボットが、映像データから作業環境や自身の動作結果を高精度に予測し、それに基づいて最適かつ精密な動作を自動で生成することが可能になる。
同技術をアーム型ロボットに適用することで、多様な形状の物品に対して精密な動作を最適な順序で自律的に実行することができる。
また、複数の物品が隣接したり重なったりした作業環境でも、作業環境をカメラに見えない領域まで正確に予測し、他の物品や障害物と衝突することのない最適な動作を自動で生成することができる。
同技術は、2023年に発表したロボット制御AI技術を発展させたもので、ロボットに適用し実行させたのは世界初。
NECは、同技術によって、人が行っていたハンドリング作業をロボットで代替することで、生産性の向上や働き方改革に寄与する考え。今後は、2024年度中に物流倉庫など人手による作業が多く残る現場で同技術の実証を進めるとしている。