生活協同組合パルシステム東京の配送拠点昭島センターは2023年度、電気由来CO2排出量100%削減を達成した。
太陽光パネルの自家発電や省エネ型冷蔵・空調設備などの導入に加え、小水力発電所の環境価値を証書化購入し、カーボン・オフセットによるCO2排出量減算で実現した。パルシステム東京では2030年までにCO2排出量46%削減を目指している。
昭島センターは、環境配慮センターとして先駆的に様々な省エネ型設備を導入し、電気使用でのCO2排出量削減を目指している。センター屋上は、7割以上の面積に太陽光パネルを設置して自家消費し、一部緑化によるヒートアイランド抑制や断熱性向上による省エネ効果を生んでいる。構内の冷凍・冷蔵設備には、省エネ型自然冷媒や温度管理システムを導入し、LED照明の全面導入など電気使用量削減に努めている。
また、グループ初となる委託協力会社のEVトラックの本格導入で、都内17センターはじめグループ全体の環境負荷の軽減施策をけん引している。
さらに、センター内での省エネ化でもゼロ換算まで削減できなかった分は、栃木県那須塩原市の那須野ヶ原土地改良区連合小水力発電所の環境価値を証書化した「非化石証書」購入による減算で実現した。再生可能エネルギーによる発電などを購入することで事業者のCO2排出量を埋め合わせる「カーボン・オフセット」の枠組みに基づく。
同発電所は、再生可能エネルギーを中心とした電力を供給するパルシステムでんきの「発電産地」のひとつ。地域内に張りめぐらされている農業用水路の高低落差を利用して発電している。パルシステム東京の利用者や役職員の視察などを積極的に受け入れ、長年交流をしている。宅配で届ける食品と同様に、電気の作り手の生産背景への理解も深め、利用者とともに再生可能エネルギーの推進を目指すとしている。