NECは生成AI(Large Language Model:大規模言語モデル)を活用し、HSコード(輸出入統計品目番号)の特定をサポートするシステムを開発した。
膨大なノウハウやナレッジが求められる通関士が不足するという課題に対し 、システムの提供を通じて通関士のノウハウやナレッジの伝承に貢献する。
HSコードは、国際貿易における輸出入品の分類を統一するために使用される世界共通の分類番号であり、通関士が適切なHSコードを付与することで輸出入品の分類を行う。HSコードは数が膨大で、その分類は非常に複雑であるため、HSコードの特定には膨大な知識と経験が必要。
システムは、ノウハウやナレッジの伝承に関わる課題に対応するため、経験が浅くノウハウの 少ない担当者が直面する問題の解決を支援する。HSコードを知りたいアイテムの名称や用途をシステムに入力することで、その情報をもとにHSコードの候補と根拠を提示。特定にあたり情報が不足している場合は、その情報を提示する。担当者が生成AIからの質問に回答することで、HSコードを特定していく。
生成AIを活用することで、キーワード検索や類義語検索と異なり、「関税率表解説」を理解した回答を導き出すことが可能。例えば、除外規定文などは、文全体を理解しなければ、意味を誤って捉えてしまうリスクがあるが、生成AIを活用することで正確なコードを特定することにつながる。
NECはシステムの更なる性能向上を実施し、2025年度の提供開始を目指す。また、現在提供しているEDA/IDA作成支援ツール「関税計算書システム」と組み合わせることで、通関申告業務を一気通貫でサポートする。