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人手不足倒産/2024年問題で過去最高の163件、2年連続で更新

2024年10月04日/調査・統計

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人手不足による経営へのダメージが深刻化している。帝国データバンク(TDB)が10月4日に発表した「人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)」によると、2024年上半期の「人手不足倒産」の件数は、過去最多となる2023年度をさらに上回るペースで急増していることが分かった。

賃上げ気運が高まるなか、労働市場の流動化が進んでいることが、人材不足倒産が増加する一因としてあげられる。TDBが毎月実施しているアンケート調査では、企業の人手不足感は高止まりしていることを踏まえると、今後も労働条件が厳しい小規模事業者を中心に人手不足倒産は高水準で推移するとみられる。

<人手不足倒産 年間推移(左)と人手不足倒産の業種別、従業員数別の件数(右)>
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従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする「人手不足倒産」は、2024年上半期(4~9月)に163件発生。同期間として2年連続で過去最多を記録した。

2023年度は313件となり前年度比2.1倍と大幅に増加したなかで、さらにそれを上回る可能性が出てきた。コロナ禍以降さらに深刻な社会問題として表面化した人手不足は、企業経営に深刻な打撃を与えている。

業種別では、建設業では55件(前年同期51件)、物流業では19件(同19件)と高水準が続き、合わせて全体の45.4%と多くを占めている。加えて、飲食店では9件(同2件)となり増加幅が大きい。また、全業種を通じて従業員数10名未満の小規模事業者が多くを占めた。

<2024年問題業種別 人手不足割合の月次推移(左)と価格転嫁率(右)>
20241004TDB02 710x255 - 人手不足倒産/2024年問題で過去最高の163件、2年連続で更新

「2024年問題」の対象業種である建設・物流業において人手不足倒産が特に顕著だ。その背景としては、両業種とも人手不足を感じている企業の割合が約7割に達している点があげられる。

全体の51.5%を大幅に上回る高水準となっており、未だ低下に転ずる予兆は見られない。2020年度の前半こそ新型コロナの感染拡大によって人手不足感は一時的に緩和されたものの、以降は一転して経済の回復とともに上昇し続けてきた。こうした状況に加えて、2024年4月に時間外労働の上限規制適用が追い打ちをかける形となり、倒産に追い込まれたケースが続出する結果となった。

一方、改善がみられる部分もある。人材の確保・定着にとって大きな要素である賃上げに向けて、その「賃上げ原資」の確保に欠かせない価格転嫁の状況を見ると、両業種は徐々に上昇している。特に物流業においては2022年12月当時では全体と20ポイント近く差が開いていたが、未だ下回っているなかでも差は縮まっている。今後は価格転嫁状況の改善による賃上げ、労働環境の改善によって人材の確保につなげられるかが人手不足の解消を左右するだろう。

TDB/2024年問題が直撃、物流業の人手不足倒産は過去最高

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