Doogは1月15日、サウザージャイアントEシリーズについて、前輪を変更することで運搬能力を高める出荷前対応のオプションを用意したと発表した。
<サウザージャイアントEシリーズ>
オプション仕様では、前輪を標準出荷仕様のオフセットキャスター(直径約200mm)から、オムニホイール(直径約300mm)に変更することで、前輪径が約1.5倍となる。また、前輪にオムニホイールを用いたことにより前輪側の左右それぞれにも駆動用モータを追加しており、標準出荷仕様の後輪側の左右モータのみの場合に対してモータ数量が2個から4個に増大する。
これに合わせてモータドライバも1個から2個に増やすことで標準出荷仕様のサウザージャイアントに対して直進時に約2倍のトルクとなり、旋回時も前輪側の駆動力が補助となることから重量物を運搬する際にもスムーズな動きとなる。
重量物を安全に運搬するためにはブレーキ(制動力)も重要であり、これについても前輪側にモータを追加したことが高い効果を発揮する。ブレーキをする際は、荷物の積載時および牽引時のいずれにおいても特に前輪側で接地圧が高まる。このため、前輪側にモータが追加されて制動力が発揮できるため安全に停止しやすくなり牽引重量目安が1000kg超となった。
これに対し、標準出荷仕様のサウザージャイアントは前輪側にブレーキが無く、同社の示す牽引重量目安が600kgに制限されている主要因だ。 特に制動力が不足しやすい運用条件として、目安を超えた重量物や下り斜面における制動距離と安定性が課題だった。
なお、オプション仕様では駆動力が向上して重量物を扱いやすくなったが、斜面や段差での重量物の運搬は安全面や機械寿命の観点から推奨する運用環境ではない。運用の速度、重量、斜面、段差の条件についてはインテグレータ販売事業者へ相談とのこと。
4モータ化したサウザージャイアントEシリーズの型式はRMS-15E2A、最高速度は8.0km/hとなる。なお、標準出荷仕様のサウザージャイアント(型式:RMS-15E2)の最高速度7.5km/hが自動追従機能にのみ適用されているように、RMS-15E2Aの最高速度も自動追従機能にのみ適用されている。
これに対し、4モータ化した上でさらにギア比を約2倍強としたトルク重視の型式はRMS-15E2B、最高速度は3.6km/hとなる。
RMS-15E2AとRMS-15E2Bの防水保護等級は標準出荷仕様と同じIPX2で、床の水濡れもOKであることから屋外建屋間搬送に活用できる。航続距離は標準出荷仕様の20kmに対して10~15kmに減少する見込みのため、電池増設のカスタマイズによって運用に必要な電池容量を確保することがお勧め。なお、カスタマイズを設計する場合には前輪が荷台の側面方向へ突出する量が標準出荷仕様とは異なる点に配慮が必要。 その他の仕様値は、積載重量が300kgであることなどを含め、いずれの型式についても標準出荷仕様と同等。
上図が推奨されるカスタマイズの一例。荷台の上には電池を増設することで運用に十分な稼働時間と牽引物に対するカウンターウェイトを兼ねており、ハンドパレットトラックに積まれた重量物を低い連結位置でサウザージャイアントに接続して牽引している様子。
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