鴻池運輸は1月23日、インド国営の鉄鋼スラグ処理事業会社である「Ferro Scrap Nigam Limited」(FSNL社)の株式を年1月21日付で取得が完了し、FSNL社は完全子会社となったと発表した。
2024年7月29日に行われたインド国営の鉄鋼スラグ処理事業会社であるFSNL社の民営化に伴うインド政府主催の公開入札で同社が落札したことにより、FSNL社発行済み株式の100%を取得し、完全子会社化したの。
FSNL社はインド国内の製鉄所で副生されるスラグ(製鉄過程で発生する副産物)の処理、スラグ中に含まれる金属成分の回収、これらの利材化を目的とした加工および取扱品の物流事業に携わっている。また、鴻池運輸は、長年にわたり国内の製鉄所で製鉄原料管理、鉄鋼製品の加工・梱包、物流、設備メンテナンスなどさまざまな業務を提供している。
なお、インドは現在世界第2位の粗鋼生産量(1億4000万トン(2023年実績))を持ち、2030年までに3億トンまで能力を引き上げることを政府が公表するなど、今後世界の鉄鋼業界をけん引する国と見込まれている。
鴻池運輸は、インド事業を「中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)の注力事業の一つとして位置付けており、FSNL社のグループ化によって成長が期待されるインドにおける鉄鋼市場に参入し、インド市場での新たな収益基盤として鉄鋼事業に注力していくとしている。
鴻池運輸の藤原 俊宏執行役員 鉄鋼本部長は、「FSNL社は、インドの国営系鉄鋼メーカーを主要顧客として確固たる地位を築いてきた優良企業。同社の事業内容は、当社の鉄鋼本部の事業と重なるところが多くある。今回のインド政府による同社の民営化事業を落札という形で獲得できたことは、当社にとってもインド事業拡大の大きな一手であり、またFSNL社にとっても我々のノウハウを適用して生産性の向上を図れるという、Win-Win な関係を構築できるものと期待している」とコメントしている。
■Ferro Scrap Nigam Limitedの概要
商号:Ferro Scrap Nigam Limited
本社:FSNL BHAWAN, Equipment Chowk, Central Avenue, Post Box-37 Bhilai-490001.
会社設立:1979年3月28日
資本金:3億2000万INR
従業員数:423名
売上高:43億4600万INR
営業利益:8億8200万INR
事業内容:鉄鋼スラグ加工、スクラップ回収 等
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