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リンク&リンケージ/同業他社と連携し岡山~茨城間の長距離スイッチ輸送開始

2025年05月30日/3PL・物流企業

日本カバヤ・オハヨーホールディングスグループの物流・IT 企業であるリンク&リンケージは5月30日、長距離輸送におけるドライバーの長時間拘束という課題を解決し、持続可能な物流体制の構築に向けて、山本水産輸送および大杉運輸とパートナーシップを締結し、新たに「スイッチ輸送」を開始したと発表した。

<大杉運輸(左)と山本水産輸送(右)のボルボのトラック>
20250530kabaya - リンク&リンケージ/同業他社と連携し岡山~茨城間の長距離スイッチ輸送開始

取り組みは、東京~大阪といった大都市圏を超え、岡山県と茨城県を結ぶ長距離輸送である点、さらに資本関係のない同業他社同士による協業という点で、業界内でも珍しい事例となっている。

スイッチ輸送とは、一般的に、輸送途中で貨物を別のトラックに積み替えることで、一人のドライバーの拘束時間を短縮し、長距離輸送の負担を軽減する仕組み。リンク&リンケージ社は、山本水産輸送および大杉運輸と提携し、愛知県豊橋市にある大杉運輸の物流拠点で、大型トレーラーの牽引部分(トラクタヘッド)とドライバーを交代させることで貨物の引き継ぎ輸送を行う。これにより、山本水産輸送および大杉運輸のドライバーは、1 回あたりの乗車時間が短縮され、より運行に集中できるようになった。

また、スイッチ輸送のタイミングで、トレーラー(荷台)の大型化も実施した。従来の18パレット積載から、24パレット積載可能な大型トレーラーを採用。一度の輸送量を増やすことで、さらなる輸送効率の向上を図っている。

期待される効果として「ドライバーの拘束時間短縮:長距離を一人で運行する負担を軽減」、「労働環境の改善:日帰り勤務の実現など、ドライバーの働きやすさ向上に貢献」、「輸送の安定化:持続可能な物流ネットワークの構築」、「CO2 排出削減:効率的な輸送により環境負荷を低減」、「輸送効率の向上:トレーラーの大型化により、一度に運べる貨物量を増加」を挙げている。

なお、取り組みの背景には、2024年4月より施行された「働き方改革関連法」により、自動車運転業務における時間外労働の上限が年間960時間に定められたことがあった。高齢化等の影響により、ドライバー不足が懸念されていた物流業界において、長距離輸送の効率化をはじめ、従来の輸送方法の見直しが不可避となっている。

リンク&リンケージ社は、これまでグループ企業であるオハヨー乳業の工場が所在する茨城県と岡山県を結ぶ長距離輸送を手掛けてきたが、長距離輸送はドライバーの長時間拘束につながるという課題があった。

そこで、このような状況を打開する解決策として、同社が個別で連携していたパートナー企業の山本水産輸送、大杉運輸の両社との連携を主導し、スイッチ輸送の導入が決定したもの。

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