豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーは9月29日、トラックへの荷役作業を自動化する自動運転フォークリフト「Rinova Autonomous(リノバ オートノマス)」を発売した。
自動化には一部、条件確認が必要となるが、AIを活用し、トラックの荷台や荷物を載せたパレットの位置・姿勢を自動で認識して走行経路を自動生成する機能を備えているのが特徴。
トラックの停車位置やパレットの向きが一定でなくても、荷役作業の自動化が可能となり、トラック荷役作業の無人化や効率化に貢献する。
一般的にフォークリフトの操作は数㎝単位の精度が必要となり、なかでも荷物の積み方で積載効率が大きく左右されるトラックへの荷役作業はトラックの停車位置が定まらないなど、環境変化が大きいため技術難度が高く、自動化が進んでいない領域の一つとなっている。
Rinova Autonomousは、レーザー光照射によるセンサでトラックの位置検出や積み付け位置が特定でき、磁気テープなどのガイド不要で自動運転が可能。
また画像認識・ディープラーニング技術を活用し、マーカーなどの目印なしでパレット位置・姿勢を検出。フォークのフォークの差し込みから荷台への積み込みまで、パレットやトラックの位置に合わせたアプローチ経路を自動生成し、一定の間隔を空けて荷物を積載できるという。
Rinova Autonomous開発に向け、同社は2022年から日用品メーカーや飲料メーカー等の工場内での実証試験や、一部先行導入を通じた機能検証、課題の洗い出しを進め、「実環境においても人に匹敵する精度でのトラック荷役を実現する技術を確立した」という。
今後、普及拡大を進めるとともに、物流現場の課題解決に資する物流ソリューションプロバイダーを目指していく。
■主な仕様
誘導方式:3D-SLAM
操作方式:リーチタイプ
定格荷重:1100kg
全長:2620mm
全幅:1380mm
全高:2510mm
車両重量:2710kg
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