首都圏のスーパーなど小売24社で構成する「SM物流研究会」は3月24日、東京都内で2025年度活動報告と26年度方針を発表した。あわせてチルド食品メーカーと共同で「チルド食品業界製配販行動指針」を公表。人手不足の深刻化や改正物流関連法への対応が求められる中、業種・業界を超えた物流最適化の取り組みを一段と加速させる方針を示した。
<会見の様子、前列がチルド物流、後列がSM物流研究会のメンバー>

SM物流研究会は2023年に発足し、サミット、マルエツ、ヤオコーなどが参加。座長を務めるライフの渋谷剛 執行役員が活動状況を報告した。
2025年度は荷待ち・荷役作業等時間の削減において一定の成果を上げ、荷待ちが2時間を超える割合は直近で1.1%(2026年2月時点)まで改善した。ただし、目標はあくまでゼロとしており、成功事例の横展開やパレット化の推進、メーカーとの連携強化を通じて、さらなる改善を図る考えだ。
また改正物流関連法への対応として、2025年5月からドライDCとTCで荷待ち・荷役時間の平均時間を全社で計測。さらに今後は計測対象をチルドや生鮮分野にも拡大し、より広範な領域での実態把握とデータ共有を進め、業界全体での効率化につなげる。
2026年度は前年度の方針を踏襲しつつ、未達課題の解消を強化する。重点施策は、1.作業時間短縮と法改正対応、2.首都圏物流研究会の分科会活動の推進、3.関西物流研究会の取り組み拡大の3点。
パレット納品拡大へ協議継続、「みんなのトラック」が始動
首都圏では4つの分科会が活動しており、パレット納品の拡大に向けては即席麺や菓子メーカーと協議を継続。物流センターでの荷役作業の長時間化という共通課題に対し、メーカーと小売の協力体制を構築することで「一歩前進」を目指す。
共同配送の分野では、加工肉メーカーと物流事業者、小売が連携し、トラックの積載余力を活用した効率化の検証を進めているほか、商品調達インフラ「みんなのトラック(仮称)」を活用した取り組みも始動。2025年11月から茨城県の農産物を対象に共同配送を開始するなど、積載率の向上と車両の有効活用につなげている。
さらに生鮮物流では、「卸売市場・SM物流研究会」を通じ青果のリードタイム(LT)延長を中心に協議を進め、サミットや東急ストアにおけるLT延長の成果を共有。今後は水産分野への展開や標準化に向けた基準策定を進める。
チルド分野でも、メーカー10社が参加する「チルド物流研究会」と連携し、物流課題解決に向けたガイドライン「チルド食品業界製配販行動指針」を策定。業界横断で持続可能な食品物流への取り組みが広がっている。
一方、関西エリアにおいても待機時間削減は着実に進展しており、引き続きゼロ化を目標に掲げる。広域特性による課題を踏まえつつ、車両の有効活用やパレット化、荷揃えの効率化などを通じて、物流センターでの荷役時間短縮に向けた取り組みを継続する方針だ。
SM物流研究会/持続可能な物流構築へ京成ストアが参加し21社に
