セブン‐イレブン・ジャパンと京王運輸は12月5日、多摩都市モノレールの駅構内にあるセブン‐イレブン店舗へのモノレールを活用した商品配送を開始した。モノレールによる店舗への商品配送は国内初で、この取り組みにより配送ドライバーの拘束時間を18%、CO2排出量を15%削減する。
<多摩都市モノレール本社での記念撮影。左から多摩都市モノレールの奥山 宏二 社長、セブン‐イレブン・ジャパンの山口 繁 執行役員QC・物流管理本部長、京王運輸の窪田 洋 社長>

12月5日に東京都立川市の多摩都市モノレール本社で開かれた取材会で説明に当たったセブン‐イレブン・ジャパンの山口 繁 執行役員QC・物流管理本部長は、同社では近年、駅構内をはじめとした施設内への出店を強化していることを紹介した上で、モノレール駅の店舗は高架上にあることから、納品の際には少量ずつエレベーターを利用してトラックと店舗の間を複数回往復する必要があり、路面店舗に比べ時間がかかると説明。これまでは、人海戦術で対応してきたが、トラックドライバーの拘束時間やコストの点で課題があることから、すでに京王電鉄井の頭線の駅構内店舗への配送で実績のある京王運輸と、昨年12月から企画・検討を進めてきたことを明らかにした。
<セブン‐イレブン・ジャパンの山口 繁 執行役員QC・物流管理本部長>

モノレールによる配送に当たっては、セブン‐イレブンの配送センターから通常の店舗配送用車両で高幡不動駅まで輸送。京王運輸の配送員が、商品の入った輸送用容器を積んだ台車をモノレール車両に積み込み、駅構内にセブン‐イレブン店舗が出店する5駅(多摩センター駅・立川南駅・立川北駅・玉川上水駅・上北台駅)で降車して6店に納品する。1日4回程度モノレールによる配送を実施し、中央大学・明星大学駅構内にある店舗については、大学構内の駐車場を利用して従来通りトラックで配送を行う。
多摩都市モノレールでは、始発・終着駅を除く全駅で進行方向左側にホームが設置されていることから、台車は旅客の乗降のない右側に置いて移動し、配送する駅ごとに担当の配送員がホームに台車を降ろして改札階にある店舗に届ける。
モノレールによる配送の対象商品は、おにぎり、弁当、サンドイッチをはじめとするチルド商品や、フローズン温度帯の商品で、飲料などの常温品については、従来同様にトラックで配送する。
取材会で京王運輸の窪田 洋 社長は、「事前に旅客の少ない時間帯の列車を選び、商品の入っていない状態でモノレール車両内での台車を置くスペースなどを確認した。12月2日のプレ運用開始から4日目を迎えるが、これまでのところトラブルなく進んでいる」と、順調な滑り出しを見せていることを報告した。
多摩都市モノレールの奥山 宏二 社長は、「モノレールによる商品輸送は、国が推進するモーダルシフトの流れにも沿っており、トラックドライバーの拘束時間やCO2排出量の削減につながり大変意義深い」と述べ、セブン‐イレブンと京王運輸の取り組みを支援する姿勢を示した。
セブン‐イレブン・ジャパンでは今後、都市部以外での鉄道利用をはじめとした、さまざまな取り組みを通じて持続可能な配送の実現を目指すとしている。
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