Amazonは7月1日、Amazon RoboticsとAIの取り組みにおける2つの重要な節目を迎えたと発表した。
<タイ ブレイディ Amazon Robotics チーフ・テクノロジスト(左)とアマゾンジャパン 島谷 恒平 ジャパンオペレーション代表(右)>
Amazonはちょうど100万台目のロボットを配備し、そして世界最大級のモバイルロボティクスのオペレーターとなった。この記念すべき100万台目のロボットは、日本のFCに納入され、現在世界300以上の施設に広がるグローバルネットワークの一員となった。
さらに、Amazon Robotics全体をより賢く、より効率的にするために設計した新しい生成AIモデルDeepFleetを導入している。この新しいAIモデル DeepFleet は、配送ネットワーク全体でロボットの動きを調整し、ロボット群の移動時間を10%改善する。より迅速に、よりコストを抑えて、顧客に商品を届けることができる。
DeepFleetは、道路に自動車があふれて渋滞している都市のための、インテリジェントな交通管理システムのようなものだと考えられる。スマートな交通システムが運転手の待ち時間を減らし、より良いルートを導き出すように、DeepFleetはロボットの動きを調整して、FC内での移動を最適化する。これにより、渋滞が減少し、より効率的な経路が確保され、顧客の注文をより迅速に処理できるようになる。
AmazonのFC内での商品の移動に関する豊富で広範なデータセットを使用し、SageMakerを含むAWSツールを活用して構築されたこの新しいAIモデルは、ロボット群の効率性の定義を一新する。これにより、より多くの商品を顧客の近くに保管することができ、配送の迅速化とコスト削減につなげることができる。また、時間とともに学習し改善するAIを基盤としているため、ロボット同士の連携を最適化する新しい方法を継続的に見出していく。
現在、業務をより効率的にするように設計された多様なロボット群を運用しているが、例えばHercules(ヘラクレス)ロボットは、最大1250ポンド(約567kg)の在庫を持ち上げて移動できる。Pegasus(ペガサス)ロボットは、精密なコンベアベルトを使用して梱包された商品を扱う。そして、私たちの最初の完全自律型モバイルロボットであるProteus(プロテウス)は、顧客の商品が入った重いカートを移動させながら、施設内の開放された制限のないエリアにおいて、その場にいる人たちの周りを安全に移動することができる。
今回迎えた、100万台のロボットの配備という節目と、新しい生成AIモデルDeepFleetの活用は、ロボティクスとAIが協力して配送と配達の可能性を再定義するエキサイティングな未来を示唆している。
<タイ ブレイディ Amazon Robotics チーフ・テクノロジスト>
都内で行われたメディア向け説明会にて、タイ ブレイディ チーフ・テクノロジストは、「10年前にロボットを導入して、我々の仕事は大きな変革を迎えた。その時、われわれはロボットを誰もが利用できるようにしたいと考え、今もテクノロジーで職場環境をいかに改善できるか考えている」と、ロボット導入から今に至るまでの考えを述べた。
さらに今後の技術革新について「10年前に構想した在庫回収を手伝えるロボットは、現在プロテウスという形で実現している。今後よりスマートなロボットを導入することで、よりはやい配達を実現する準備を進めていく」と語った。
アマゾン/新たにDSを6拠点開設し、夜間に注文・翌日配送を全国展開