Amazonは7月11日、アジア太平洋地域の配送ネットワークにおいて、2025年末までに、日本では6000万USドル以上、オーストラリアでは2000万USドル以上を、この2か国のデリバリーステーションネットワークでの仕事をより安全に快適にする技術革新に投資予定であると発表した。
Amazonは、日本とオーストラリアでの配送拠点ネットワークへの投資に長い歴史がある。2024年だけで、Amazonは日本で$100億USドル以上、オーストラリアで$35億USドル以上を投資した。これにはインフラ整備とAmazonで働く人への報酬が含まれる。2010年以降、Amazonは日本で$740億USドル以上を投資し、2011年以降はオーストラリアで$180億USドル以上を投資している。
これらの取り組みは、グローバル戦略と地域イノベーションの融合。全世界のネットワークで標準化された設計原則を維持する一方、地域チームは現地のベンダーと提携し、特定の国の需要に改善策を適合させている。このアプローチは、高齢化社会に対応したワークプレイス・ソリューションの構築が重要な日本のような国で特に有効となる。
デリバリーステーションを変革する新技術については、まずティッパー(Tipper)が挙げられる。商品を自動的にベルトコンベヤに降ろすことで、働く人の肉体的負担を大幅に軽減。この技術はオーストラリアで導入されている。また、Auto Divert to Aisle(ADTA)がある。これは人間工学に基づいた高さで従業員に商品を渡すために、両国で導入している。
さらに、日本で3つの新技術を開発し、全世界で導入できるかテストしている。1つ目がシングル・レーン・オート・ダイバート・トゥ・フィンガー(Single Lane Auto Divert to Finger):ベルトコンベア上の商品の流れを自動的に管理し、必要な場所に商品を送ることで、働く人が手作業で商品を押したり迂回させたりする必要をなくす技術。
2つ目はロボティクス・ラベラー・システム(Robotics Labeler System or RLS)。この技術革新によりパッケージのラベリングを自動化する。デリバリーステーションで仕分けされるすべてのパッケージにラベルを貼るという手作業の繰り返し作業を軽減する。
3つ目が扱いにくい商品のためのロボット・アンローダー(Robotics Unloader for Unwieldy Shipments or RUFUS)で、真空ロボットにより、重い商品の荷降ろしを行う。
なお、Amazonが行うこれらの投資は、テクノロジーを活用して働く場所の安全性とアクセシビリティを高めると同時に、配送サービスに対する顧客中心のアプローチを維持するというAmazonのコミットメントを強調するもの、としている。
<アマゾンジャパン 渡辺 宏聡 オペレーション技術統括本部長>
都内で行われたメディア向け説明会にて、渡辺 宏聡 オペレーション技術統括本部長は「投資によって技術を推し進め、テクノロジーで仕事のやり方を変えていく。投資は10億ドル規模となるので、これからのスタートアップ企業との関わりを楽しみにしている」と述べた。
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