全日本空輸(ANA)と、冷凍宅配食サービスを展開するナッシュは12月1日、冷凍食品の輸送に際し、ANA国内旅客定期便における昼間帯の床下貨物空きスペースを有効活用する取り組みを開始した。
積載効率の向上により輸送コストダウンを実現。顧客へ最大557円(沖縄地域・100サイズの場合)の送料値下げが可能となる。
今回の取り組みのポイントは、空きスペースの有効活用。需要が低い旅客貨物便を積極的に活用するなど、ANAの航空ネットワークを活かした空輸体制を見直すことでコストダウンを実現。またナッシュが独自に開発した物流システムを導入し、リードタイムと需要をもとに1便あたりの積載率を最大化するなど、供給体制の強化を図っている。
北海道向けの輸送については、これまで早朝の直行便を利用していたが、羽田経由で昼間帯の空きスペースを活用することで、従来より低額な料金を提示できるようになった。沖縄便については、これまで通り昼間便を利用しつつ、積載効率を上げることでさらなる輸送コストの削減を図るなど、送料の地域格差を縮小したい考えだ。
両社はこれまでも、ANA専用の保冷コンテナをナッシュに貸与し、商品の積荷から空港までの配送を一貫してナッシュで行うシームレスな輸送体制を構築するなど、さまざまな協働を行ってきた。
使用するコンテナは、高断熱で工場から一定温度で輸送が可能。コールドチェーンの構築を通じて、物流における地域格差の是正にもつながっているという。
ANAは、「物流の2024年問題」への対応策として、昼間便の空きスペースを有効活用する「新モーダルシフト」の推進に取り組んでいる。
今後も、旅客便を使用した長距離スピード輸送を他のエリアにも積極的に広げていくなど、両社の連携を一層強化し、物流問題の解決を後押ししていく方針だ。
ANAとナッシュ/保冷コンテナ活用し冷食の航空輸送サービス開始
ANA/NCAと欧米線貨物便のコードシェア開始、輸送力補完へ


