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出光/24kl積みローリー導入進める

2015年09月30日/SCM・経営

出光興産は9月30日、グループの物流に対する取り組みについて公表した。

陸・海上物流を安定供給、エネルギーセキュリティの要と位置付けた上で、国内物流では、輸送手段であるローリーや内航タンカーの乗務員・船員不足が深刻化する一方、SS数の減少や製油所、油槽所の統合により、配送の平均距離は延びる傾向にある。

外航輸送では、世界的な環境規制強化の流れに対応しつつ、コスト競争力の高い船隊整備が、わが国のエネルギーセキュリティにとって不可欠となっていことを社会的課題としている。

陸上輸送では、油槽所の統合に伴う輸送距離の増加に対応するため、現在主力の「20kl積みローリー」よりコンパクトで輸送数量が増す、超短尺「24kl積みローリー」の導入を進めている。2020年までに、揮発油などを運ぶ白油タンクローリーの80%をこの超短尺車に切り替える計画。

海上輸送では3製油所体制への移行により、西日本や日本海側への海上輸送が長距離化している。出光では、専用の内航タンカーを2013年度比で約20%増強して52隻とした。

「配船最適化システム」を導入し船舶運航の効率化を推進している。

さらには内航船を国際航路にも就航させる内外航兼用化を実現し、韓国のターミナルを活用した輸出入による物流合理化にも取り組んでいる。

2014年10月には東西の受注センターを統合し「中央配送管理センター」を設置した。受注・配送を全国一元管理体制とすることで、災害時の対応力を強化している。

外航輸送では、「NISSHOMARU」を含めた12隻のVLCC(Very Large Crude oilCarrier:全長330mの巨大タンカー)、6隻のVLGC(Very Large Gas Carrier:全長230mの巨大LPGタンカー)を出光タンカーは運航している(自社管理船:VLCC4隻、VLGC3隻)。

自社管理船舶では、日本人の船長、機関長、オフィサーと共に、フィリピン人船員が乗船している。フィリピン人との混乗が本格化して約25年の歴史があり、現在、約250名のフィリピン人を雇用している。

外航輸送75年を超える歴史を通じて培ってきた「海技力」は、国内外の船会社から高く評価されている。海技力の象徴が、国内船会社で唯一資格を有するSIRE(Ship Inspection REport:OCIMFの検船レポート共有システム)で、年間約650件の検船を実施している。

コスト競争力を高めるため、船舶を長期使用(VLCCで25年、VLGCで30年)して減価償却済みの船を併用するほか、OBM(On Board Maintenance:航海中に自社乗組員が行う整備)による入渠工事の短縮化、修繕工事量の削減に取り組んでいる。

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