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三井物産/上海茉織華、徳永貿易と合弁会社を設立し中国で繊維素材生産開始

2002年06月23日/未分類

三井物産(株)、上海茉織華、徳永貿易の三社は中国で合弁会社を設立し、高機能防水透湿繊維素材の生産を行うことで合意した。
新会社の名称は中日合弁嘉興徳永紡織品有限公司で、上海近郊の折江省平湖市新倉鎮の工業区に設立する。
生産は、合繊織物及び合繊ニット地への高機能ポリウレタンコーティング・ラミネーティング加工品で、雨着やマウンテンパーカーに加え、近年、高機能スポーツウェアや高機能カジュアルウェアの素材として需要が急速に拡大している高機能素材。この加工は各種資材分野への汎用性もあり、この素材を中国で生産するのは日本企業で初めて。
新会社の資本金は七百万米ドルで、出資比率は、上海茉織華が65%、徳永貿易が20.1%、三井物産が9.9%、中国三井物産が5%。本年4月中に営業許可を取得し正式に法人として設立され、ことし8月を目処に工場を本格稼動させる計画。
上海茉織華は工場の運営と管理を、徳永貿易は技術指導、品質管理、製品販売を、三井物産は製品販売協力と関連情報の提供を行う。
役員構成は上海茉織華より4名、徳永貿易より2名、三井物産より1名、それぞれ派遣されます。董事長は上海茉織華が、総経理は徳永貿易が派遣する。また、工場には日本から技術者を派遣し、高品質高機能のラミネート、コーティングを、ポリエステルやナイロン素材などに施して行く。
大手合繊メーカーは織布、染色、コーティング工程を中国に移転させたが、高度な技術力が求められ、日本が世界の需要の大半を満たしてきた防水透湿加工だけは日本で行って来た。
しかし、近年この技術でさえも織布、染色事業同様、韓国、台湾企業の台頭、中国企業の参入などで、日本での事業環境は難しいものになりつつあり、価格競争力を強化することが絶対条件となったため、今般提携3社は中国への技術移転、現地生産を共同で推進することに合意したもの。
徳永貿易は高機能ポリウレタンコーティング・ラミネーティング加工品を明石工場で25年以上に亘り生産し、国内外のスポーツアパレル向けに素材の供給をしてきた。そこで蓄積した技術力を中国の工場に全面的に技術移転させることで、高品質を保ちつつ、価格競争力を持たせることが出来るのではないかと、合弁事業の研究をして来た。
この合弁で経営主体を担う「中国茉織華股分有限公司」はマツオカコーポレーションが中国企業と共に設立した合弁企業で、10年余の運営実績を持っている。しかしながら、中国の繊維素材・製品生産能力は拡大を続け、付加価値衣料縫製品の供給の為には、技術面・機能面での差別化が必要だった。
三井物産は、国内外のスポーツアパレルメーカー向けの高機能素材供給で日本ではトップランクの実績を持っており、アパレルメーカー、SPA、量販店向けにも高機能素材供給ビジネスをより一層拡大させる方針で、中国から高品質で価格競争力のある素材、製品を調達すべく、常に優良パートナーとなり得る中国の工場を探していた。
徳永貿易が「技術をいかせる、より価格競争力を有する生産拠点を模索する」状態で、中国での生産委託先を探している折、上海茉織華が「生産拠点はあるが、差別化する技術を求める」状況で、同社工場の隣接地にて新工場を建設し、工場の運営と管理を行う用意があり、三井物産が「販売先があり、優良供給者を求める」というように、三者のニーズが合致して今回の合意に達したもの。
既に日本の合繊メーカーの中国工場からも、本合弁に対する強い関心が寄せられており、日本から相当数の技術者を派遣し、本年8月には本格稼動させる予定。
合弁工場では、中国国内製の生地素材にコーティング及びラミネーティングによる2層、3層の加工を施し、防水と透湿という一見相矛盾する機能を両立させる加工を行う。従業員2万人という日系工場で中国最大級の上海茉織華社の折江省工場の縫製能力を十二分に活用し、日本のスポーツウェア、カジュアルウェアメーカーや、欧米のスポーツ・カジュアル衣料販売会社(The North Face、Patagonia、Polo Ralph Lauren等)のニーズに対応した素材または製品を供給していく計画。
新会社では、技術移転による高機能素材の価格競争力強化、中国内物流サイクルの短縮化を実現し、顧客ニーズに対応して行く。
販売予定数量は初年度50万ヤード(約120万ドル)、2年度は660万ヤード(1 600万ドル)を見込んでいる。

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