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国土交通省/交通政策審議会港湾分科会物流・産業部会及び環境・安全等部会政策案に関する意見募集結果

2002年07月28日/未分類

国土交通省港湾局では、平成14年5月24日から平成14年6月17日までの期間において、「政策案」に対する意見の募集を行い、11件の意見が集まった。
<意見>
土地の造成費や買収費及び整備費をかけてまで、ハブ港を作るがあるのか。
例えば東京湾にハブ港を作るということは、東京銀座に、全国に発着するトラックターミナルを作るのと同じく、超過気味の交通量の所に、さらに通過交通を導入することではないか。ただの荷さばきターミナルを作るなら、例えば、常陸那珂のような混雑していない場所、郊外の安い土地を求めるべき。
ハブ港湾を育成することで、どのようなメリットがあるのか。逆に扱い量が増えることでターミナルから出るまでの時間が増えるなど、デメリットもあるのではないか。
<意見に対する考え方>
港湾整備において、必要となる費用とその整備の結果生じる便益との関係は、事業採択の時点で、厳しく審査を行い、費用に見合う便益がある事業のみが実施されます。
日本は、国全体として1250万TEUを超える自国発着貨物を有しています。単に積み替え作業のみを行うだけではなく、これらの自国発着貨物と国際トランシップ貨物を併せて取り扱うことで、スケールメリットを利用した国際競争力のある港湾機能を実現することができると考えられます。
一方で、例えば東京湾においては、海上輸送の効率性と船舶航行の安全性を両立させるため、東京湾口航路事業を実施するとともに、ITを活用した航行規制の効率化などを前提とした新しい海上交通体系の実現が進んでいます。
スーパー中枢港湾の必要性、意義等については、中間報告に記述しています。
入港からターミナルを搬出可能となるまでの時間は、着実に短縮してきています。今後、関係省庁の連携により、一層の時間短縮を進めていく予定です。
<意見>
環境・安全部門に底泥汚染の浄化対策が必要ではないか。
<意見に対する考え方>
港湾内の良好な水底質環境保全のための施策について、中間報告に記述しています。 
<意見>
物流・産業部会に関する意見
地方のコンテナターミナルは、物流コスト削減等により、地域に根ざした企業の競争力の強化に貢献している。地方の自主的な港湾経営努力により地域の産業・経済の発展、活性化に寄与しており、国による政策的な集中化によって中枢・中核港湾やスーパー中枢港湾の整備に限定することは、地方の自立を妨げる結果につながる恐れがある。
港湾整備の補助枠の拡充、フェリー岸壁の公共事業方式での実施を行うべきである。
離島・半島部等の小型船溜まりでは、季節風等の強風による船舶への被害防止や、劣悪な作業条件の改善が求められている。安全な港づくりのため、また過疎・少子高齢化対策の面からも、風対策への支援が必要である。
環境・安全等部会に関する意見
港が開放された魅力あふれる空間としてより多くの人に利用してもらうためには、「海の駅(仮称)」としてフェリーターミナルに「道の駅」に似た交流と賑わいの場となる利便施設を、公共的施設整備に補助制度を導入して整備することを提案する。
港が開放された魅力あふれる空間としてより多くの人に利用してもらうために、老朽・陳腐化した緑地施設をリニューアルし、より開放的で潤いに満ちた快適な「海辺の空間」を創造する補助事業制度を提案する。
近年、住民の環境への関心が高まり、環境の保全と共に自然とのふれあいの場が求められている。港湾区域においても、干潟や磯場等の環境を保全しながら、より身近に自然を楽しめるような干潟観察や海上緑地等の施設を国庫補助で整備出来るようにすべきである。
港湾施設は、我が国の産業経済の発展に寄与するべく長年に渡り整備されてきた。その結果、船舶の大型化等も相まって老朽化・陳腐化した施設が点在するようになっているので、こうした既存ストックの有効利用を図り、安全で効率的な港湾の管理・運営のため既存施設の維持・更新への財政支援が必要である。
住民参加のみなとづくり・海辺づくりについては地域により熟度、熱意に温度差があり意見募集・聴取の手段も異なります。住民参加のあり方について、具体的方法は地方に任せるべきである。
<意見に対する考え方>
コンテナ物流については、全体効率性を確保することを政策の基本としており、中間報告においては、その維持を明記しています。その上で、欧米との長距離基幹航路の我が国港湾への寄港を確保するための、国際競争力強化策を講じていく必要があると考えています。
港湾整備等に対する国の関与のあり方については、検討すべき課題として中間報告に盛り込んでおり、平成15年度概算要求に向け、さらに検討を進めて参ります。
既存施設の維持・更新への財政支援については、第2回環境・安全等部会における議論を踏まえ、中間報告において記述を追加しています。
住民参加については、地方の自主性も十分尊重しながら、取り組んで参ります。
<意見>
ターミナルコストの低減方策について
中枢港湾の大型コンテナターミナルの私有を認めること、すなわち上下分離方式などではなく、ターミナルオペレーターや船会社が全ての施設を建設できるように、最大限の規制緩和を行うべきである。(たとえば、耐震構造基準なども適用條件を緩和し、少々の「安普請」もがまんする)
一方、国または港湾管理者は、航路、泊地の浚渫、防波堤など外かく施設の整備、アクセス道路の整備、大規模地震などにより大きな被害を受けた場合の復旧資金の助成などの施策によりターミナル事業者を助成すべきである。
ただし、1つの港の中の建設場所、ターミナルの規模については国が決定すべきである。
<意見に対する考え方>
中枢港湾におけるコンテナターミナル機能の整備等については、広域的な観点を踏まえつつ、また、既存施設の有効利用等を図りながら整備を進める必要があること、さらにアジア諸国の主要港並のコスト競争力を確保する必要があることから、基本的に国において整備すべきものであると考えています。
他方で、世界の主要港湾におけるターミナルオペレーターの積極的な港湾経営の動向や民間活力を十分に活用すべきこと等を踏まえ、ソフト面の施策を中心として民間ターミナルオペレーターによる効率的な経営を導入して参ります。
<意見>
地方の港湾近傍に立地する荷主企業にとっては、我が国の中枢・中核港湾まで陸上輸送または内航フィーダー輸送するよりも、近傍港から直接輸出入する方が経済的であり、地方の港湾においてコンテナを取り扱う経済合理性がある。
我が国の国際港湾の国際競争力を高めることは重要であるものの、スーパー中枢港湾だけを優遇することによって、地方の港湾の活力を削ぐおそれがある。
地方の特色を活かした個性ある地域の発展と自立のため、地方の港湾もスーパー中枢港湾と連携して、その役割を発揮できるよう配慮すべきである。
<意見に対する考え方>
コンテナ物流については、全体効率性を確保することを政策の基本としており、中間報告においては、その維持を明記しています。その上で、欧米との長距離基幹航路の我が国港湾への寄港を確保するための、国際競争力強化策を講じていく必要があると考えています。
<意見>
アジアの主要港に匹敵する物流サービス実現のために、ターミナル内施設整備の無利子貸付、投資にかかる優遇税制など、ターミナル管理者に対する投資上の優遇措置、国際トランシップを行う港運事業者に対する税制上の優遇措置及び公共岸壁の専用的利用を実施すべきである。
<意見に対する考え方>
中間報告においては、ターミナルリース料金の低減、施設使用料の値下げ等料金設定の弾力化や料金体系の見直し、入港料等の免除・割引、さらに公共岸壁の効率的な利用に向けた柔軟な公共性概念の適用など、国際港湾機能の高度化に向けた施策が盛り込まれています。今後はこれらの具体化のための検討を進めて参ります。
<意見>
我が国の臨海部に国際企業クラスターの集積を進め、国際ハブ港湾と連携したアジア・国際ビジネス拠点を育成していくことを重点施策の一つとして打ち出すべきである。
上記を実現するため、特区による先導的な規制緩和、優遇措置等の具体的な施策を打ち出すべきである。
<意見に対する考え方>
港湾において、その特性を活かすことにより、多様な産業の立地・展開を図るとともに、次世代高規格コンテナターミナルとの連携による臨海部ロジスティクスハブの形成を進めてまいります。
また、その際、経済財政諮問会議等における議論や各自治体の動向を踏まえながら、特区制度の活用についても取り組んでまいります。
<意見>
港湾利用料金等の大幅な低減や国際トランシップを行なう港湾事業者に対する税制上の優遇措置など、国の大胆な港湾コスト低減策が是非とも必要である。
なお、港湾の閉鎖性を排除し競争原理を導入する趣旨から平成12年11月1日事業法の一部が改正施行されている中、東西スーパーハブ港湾構想が浮上、このことは特定港湾のみが強い力を持ち、法改正前へ逆戻りするのでは、との危惧もあり、主要九港で公平で、公正な競争を計るべきである。
<意見に対する考え方>
港湾の国際競争力強化に向け、港湾コスト低減化のための施策を推進して参ります。
コンテナ物流については、全体効率性を確保することを政策の基本としており、中間報告においては、その維持を明記しています。その上で、欧米との長距離基幹航路の我が国港湾への寄港を確保するための、国際競争力強化策を講じていく必要があると考えています。
<意見>
中枢国際港湾への整備の重点化を重点施策として位置付けるべきである。とりわけ、アジアとの競争上重要な地域に位置する中枢国際港湾への整備の重点化の具体的な施策を打ち出すべきである。
国際トランシップを行う港運事業者、内航海運事業者等に対する我が国の国際競争力確保の観点から重要な部門の強化策・支援策を充実すべきである。
アジア諸港との競争上重要な港湾における公共バースの専用的利用などの先導的・先駆的な規制緩和や優先措置を図る特区を重点施策として位置付けるべきである。
 
<意見に対する考え方>
コンテナ物流については、全体効率性を確保することを政策の基本としており、中間報告においては、その維持を明記しています。その上で、欧米との長距離基幹航路の我が国港湾への寄港を確保するための、国際競争力強化策を講じていく必要があると考えています。
この方針のもと、従来より行っている中枢・中核国際港湾への重点投資等については、引き続き推進して参ります。
また、国際競争力の強化に当たっては、関連部局との連携のもと総合的な施策を推進して参ります。 さらに、公共岸壁の効率的な利用に向けた柔軟な公共性概念の適用、特区制度の活用等についても中間報告に盛り込まれたところです。
<意見>
(物流・産業部会)
海運へのモーダルシフトと海陸接続の円滑性は、輸送コストの低減、地球温暖化の防止の観点から、内海航路にあっても推進すべきである。
臨海部における低未利用地の有効活用によるリサイクル産業の展開に当たっては、リサイクルの社会的コストをミニマム化するために、既存リサイクル産業のネットワーク化、そしてそれを補完するための臨海部での施設整備を図るべきである。
(環境・安全等部会)
リサイクルポートにおいては、現状廃棄物処理法あるいは近々改正される廃棄物処理法及び県条例などの積替え保管規制を満足する港湾設備とすべきである。
広域廃棄物処分場においては、将来に負の遺産を残さないために、従来型の「ごみ捨て場」ではなく、無害化した廃棄物を処分することにすべきである。
海面処分場は廃棄物対策として位置付けるのではなく、国土の狭い日本における、快適な環境空間の拡大と位置付けるべきである。したがって、単純に「積極的に産業廃棄物の受け入れを進める」のではなく、「この空間確保のために、無害化した廃棄物を利用し、資源の浪費の防止と廃棄物の安全管理をする」との意気込みが必要である。
廃棄物海面処分場は、国土拡張策として行なったものであり、当然跡地を活用するわけですから、従来型の「ごみ捨て場」ではなく、無害化した廃棄物を管理した状態で処分すべきである。
<意見に対する考え方>
内航海運の利用促進についても中間報告において盛り込んでおり、海事局とも十分に連携してまいります。
リサイクルポートの形成促進に向けた諸施策を展開して参ります。
無害化を含め適切な廃棄物処理対策を推進して参ります。
<意見>
「みなとまちづくりの推進」について
総合力(部分最適から全体最適へ)」の発揮を主眼にすべきである。
高度成長期には、いわゆるインフラ整備としての位置づけや外洋港・コンビナート基地といった経済・産業の発展に資する目的で公共投資がされてきたと思う。そこには、現在ほどの価値観の多様化はなく、必ずしも産業と自然、生活、景観などとの全体的な整合性を重視する必要はなかったと思う。
しかし、高齢少子化時代に入りより成熟した社会を目指すべき現代においては、多様なニーズや要素をうまく組み合わせ、全体して調和のとれた投資効率のよい事業の推進が求められている。地方主権の時代、地域が主体となって自主自立の精神で進める事業にこそ、国の強力なサポートが必要である。
そのためには、2つの条件が完備されていることが条件ではないか。
その第一は、「関係者全員の協業体制があるかどうか」である。行政(国・県・市町村)と利害関係企業・団体、地域づくりを真剣に考えている住民及びNPO等の参画が得られているかどうかが前提になるのではないか。
これまでの公共事業のように計画決定があってから初めて一般に公表され、その後は反対派と推進派で実りのない議論を進めるといったやり方を抜本的に見直す必要があるからである。港の重要性について関係者全員が価値観を共有し、個々の課題に対して賛否の視点だけでなく、解決のための手段をどう導き出すかが、これからの公共事業の成否を決定づけると考える。
その2つ目は、「対象区域が開発や保全のための資源としての価値があり、社会経済的なニーズがあるかどうか」である。資源的価値やニーズのない地域での開発・整備は長期的に見て決してうまくいかないと考える。
四方を海で囲まれた我が国では、港湾や臨海部と呼ばれる地域は無数にあるであろう。しかしながら、これらの2つの要件を兼ね備えた地域はそれほど多いとは思われない。国際戦略の中での港湾整備とは違い、地方における地域に根ざした「みなとまちづくり」が進められることを期待する。
公共施設(防潮堤、堤防、岸壁等)のPFI運営について
公共施設内への制限をする従来の方法を変更し、利用のための補助施設(待避所や安全施設)を民間が設置・運営し、利用者には自己責任においての活用を義務づけることで、結果として公共施設の適正な運用が図れるのではないか。まだ、災害発生時の補償問題、委託運営の形態等検討すべき要件は多いが、NPO等によるPFIの活用もぜひ検討すべきである。
<意見に対する考え方>
ハード・ソフト施策の連携により、港湾管理者、関係市町村、関係事業者、地域のNPO等が各々のパートナーシップを発揮して、みなとまちづくりのための計画(「みなとまちづくりプラン(仮称)」)を策定すべきことが盛り込まれており、ご指摘のような実りあるみなとまちづくりが実現されるよう取り組んで参ります。
これらを含め、市民に身近な港や海辺について住民・NPO参加型のみなとづくり・海辺づくりを進めてまいります。

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