ケイヒン（株）の平成16年3月期決算短信（連結）の営業成績は下記のとおり。
同社グループは、お客様の物流効率化の要請に応え、高品質かつ総合的な物流サービスの提供により、業務受注の拡大に努めるとともに、ことし1月に東京港の物流施設として「お台場2線流通センター」を稼動させた。また、不採算部門の見直しを含む経営の効率化・合理化を積極的に推進して、収益構造の改善を図った。
その結果、当期の営業収益は434億1千万円（前期比46億5百万円の減収、9．6％減）となったが、経常利益は11億7千3百万円（前期比1億1千9百万円の増益、11．3％増）。特別利益として投資有価証券売却益などを計上し、特別損失として固定資産処分損などを計上した結果、当期純利益は6億2千7百万円（前期比8千5百万円の増益、15．7％増）となった。
グループの物流事業に係る事業部門の業績
国際物流部門
複合一貫輸送は、香港を中心とする輸出入貨物の取扱いが順調に推移し、取扱量は前期比4．4％の増加。また、航空貨物は、輸出貨物の取扱いは増加したが、輸入貨物の取扱いが減少し、取扱量は前期比0．5％の減少。
海運貨物、輸出貨物の取扱いは堅調だが、輸入貨物の取扱いが低調に推移し、取扱量は前期比2．5％の減少。輸出車輌の海上輸送も、前期の大幅な増加要因であった市場環境が変化したことにより、大幅な減少となった。
港湾作業も、輸出車輌やコンテナの船内荷役の貨物取扱いが低調に推移し、取扱量は前期比10．2％の減少。
以上の結果、国際物流部門の営業収益は173億6千3百万円（前期比33億6千万円の減収、16．2％減）となった。
国内物流部門
倉庫保管は、葉たばこや日用品を中心に順調に推移し、保管残高は前期比7．7％の増加。倉庫荷役は、貨物取扱いが減少し、入出庫取扱量は前期比3．5％の減少。
一般貨物輸送は、化学工業品や食料工業品を中心に取扱いが好調に推移し、運送屯数は前期比7．8％の増加。海上コンテナ輸送は、船社受注コンテナの取扱いが堅調に推移し、取扱本数は20フィート換算で前期比2．0％の増加。
収益面は物流合理化や競争激化の影響を受けました結果、国内物流部門の営業収益は185億3千万円（前期比3億円の増収、1．6％増）となった。
宅配物流部門
百貨店宅配からの撤退などにより、取扱件数は前期比32．0％の減少し、宅配物流部門の営業収益は69億4千6百万円（前期比16億9千9百万円の減収、19．7％減）となった。
情報部門
物流を中心としたパッケージソフトの販売やユーザー企業に対するカスタマイズサービスの受注が好調に推移し、営業収益は5億7千万円（前期比1億5千4百万円の増収、37．0％増）となった。
次期の見通し
今後の世界経済は、米国や中国を中心に世界経済の回復が期待されているが、米国経済の失速懸念やイラク情勢など先行き不透明な要因もある。
一方、今後のわが国経済は、設備投資の増加や世界経済の回復に伴う景気回復が期待されているが、雇用情勢の好転が見込めないなかで、デフレ経済の長期化や円高による影響が懸念されるなど、景気の本格的な回復にはなお時間がかかるものと予想される。
同社グループは物流事業環境の変化を見極めながら、経営・事業の体質強化を図りつつ、お客様の要望される物流サービスの開発と提供を着実に進め、さらに信頼を高めていくよう全力を尽くしす。
また、個々のお客様のニーズに沿った提案型営業の推進や情報システムの充実に努め、経営の効率化・合理化を積極的に推進して引き続き収益構造の改善を図る。
次期の業績の見通しは、営業収益で443億円（前期比2．1％増）、経常利益で12億2千万円（前期比4．0％増）、当期純利益で7億8千万円（前期比24．4％増）を見込んでいる。
