LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

中外製薬/生産体制の再編、5工場を2工場に集約

2005年03月03日/未分類

中外製薬(株)は、生産機能の徹底した効率化と資源の集中化を目的とした生産体制の再編に着手し、国内5工場を5~6年後を目途に宇都宮工場(栃木県宇都宮市)と藤枝工場(静岡県藤枝市)の2工場に集約するとともに、2006年1月(予定)をもって生産部門を一括して分社化する。

また、再編に先駆け、医療用の固形剤・軟膏剤を中心に生産している鏡石工場(福島県鏡石町)を、2005年6月末をもってニプロ(株)へ譲渡する。

中外製薬は、2002年10月のロシュ社との戦略的アライアンスを契機に、コストシナジー(コスト構造の改善)の極大化に向けた取り組みを強化し、翌2003年に高岡工場(富山県高岡市)、松永工場(広島県福山市)を譲渡・閉鎖して5工場体制に再編するなど、これまでの間、品質、コスト面における競争力強化を図ってきた。

ことし4月の改正薬事法の施行により、今後、医薬品生産を取り巻く環境はますます大きく変化することが予想され、全面的な製造委・受託が可能となる環境下、品質・技術力を備えた製造受託メーカーが台頭することで、新薬メーカーとの医薬品生産機能の相互補完関係が強まると同時に、新薬メーカーにとっては、こうした製造受託メーカーとの連携の巧拙が、自社技術の維持・強化と効率的なコスト構造の構築に多大な影響をもたらす可能性が出てきた。

今回の生産体制の再編着手は、こうした環境の変化を踏まえた中で、ことしを起点とした中期経営計画『Sunrise2010』の最重要課題の一つ。

自社技術の維持・強化とコスト効率の追求に向けて現状最善の方法として決定し、固形剤の製剤・包装機能を中心に外製化を推し進めると同時に、自社工場については宇都宮・藤枝の2工場に経営資源を集中していく。

具体的には、宇都宮工場に浮間工場(東京都北区)のバイオ原薬製造機能、無菌注射剤製造機能などを移管することで、中長期的には同工場をバイオ医薬品の原薬・製剤一貫工場へと整備していく。

宇都宮工場はこれまで、抗体医薬の生産拠点として他社に先駆け投資をしてきた結果、2007年には、合計8万リットルという国内最大級の動物細胞培養設備を擁する工場になる。

この、日本はもとより世界からも注目を集めつつある宇都宮工場にバイオ医薬品の原薬・製剤機能を集約することで、中外製薬を一層の競争優位に導く自社技術の維持・強化を追求していく。

一方、藤枝工場には、浮間工場、鎌倉工場(神奈川県鎌倉市)から自社で製造を続ける高活性品を中心とした固形剤製造機能などを移管することで、同工場を合成医薬品の原薬・製剤一貫工場へと整備する。

藤枝工場は、2008年にかけて約200億円の資金を投入し、最新鋭の固形剤生産ラインならびに関連設備の建設・整備を進める。

拡張性の確保が容易な立地を活かし、徹底した省人化を実現するマテリアルハンドリングの確立、環境対応、海外レギュラトリー対応、グローバルなローコスト競争、などといった課題に的確に対応するのが、その建設コンセプトとなる。

また、浮間工場と鎌倉工場については宇都宮、藤枝への機能移管の進捗を見ながら、5~6年後を目途に閉鎖し、その跡地については社内で再活用していく。

関連記事

未分類に関する最新ニュース

最新ニュース