(株)トーハンは、書店向けに総合情報SAシステムの構築に取組み、その中軸を担うシステムとして「Web‐TONETSGS」を開発、12月より本格スタートした。
現在、ASP方式採用の書誌検索・発注とPOS実績など各種データ照会のシステムとして「Web‐TONETS」を全国の取引先書店1,800店舗に展開している。
「Web‐TONETSGS」はその機能を大幅に拡充・強化したもので、11月に稼働した「トーハン桶川SCMセンター」の莫大な価値情報をリアルタイムに処理し、個店ごとの単品管理機能と本部統合管理機能を搭載した。
“GS”は、“GatewaytoSCM”（桶川SCMセンターへの書店側入口）の略。開発にあたり一部書店でテストランと検証を重ねてきたが、「トーハン桶川SCMセンター」の稼働を機に本格的に始動したもの。
同社では、書籍流通を抜本的に改革する「桶川計画」を進行中で、出版社と書店をネットワークでつなぎ出版SCMを構築している。
「Web‐TONETSGS」は、その基盤となる「トーハン桶川SCMセンター」に直結し、メリットを最大限に引き出す書店側のポータルとして、書店の販売革新に寄与する。
桶川に集約される膨大な流通情報から有用な情報を分析・加工して、正確なデータを把握し、販売機会ロスを最小化するとともに、仕入・返品を適正化して、顧客満足向上、経営効率化を実現し、収益力を高める。
「Web‐TONETSGS」の多彩なメニュー
(1)仕入・売上・返品・在庫データの一元管理を実現
自店販売推移、市場状況などとあわせて正確な数値を把握することで、販売機会ロスの極小化を図るとともに、過剰な仕入や誤った返品を防ぐことが可能。
(2)ロケーション管理を実現
精緻な在庫管理を指向する書店には、実地棚卸データを投入して、単品ごとにロケーションを行なう管理機能も搭載し、新刊図書、注文品など、新規に入荷する商品のロケーション指定も行なう。
(3)豊富な「店頭商品メンテナンス機能」を搭載
このほかにも、書店の特性に合わせた店頭オペレーションを支援すべく、サービスをメニューごとに切り分けて提供。
例えば、商品手配や商品抜取メニューでは、書店自らがジャンルごとに対象アイテムの抽出条件や基準冊数などを設定し、きめこまかい在庫コントロールを可能とする。
また、店舗の「独自定番商品の設定」もでき、さらに当社作成の月次販売計画「MD‐PLAN」との連動により、自店のコンセプト、立地、客層にあわせた品揃え情報や、来店客を飽きさせないオリジナルな売場演出情報も得られる。
(4)本部機能強化によるチェーン店支援
従来の「Web‐TONETS」を単店型と位置づけるならば、「Web‐TONETSGS」は多店舗展開書店のメニューを強化した本部型のシステムとなっている。本部一括発注機能はもとより、チェーン内在庫を有効活用するため店舗間移動や、店舗の相互比較を行なうことで、課題のある店舗やジャンル抽出まで実現するなど、多店舗展開メリットを最大化させる工夫が凝らされている。
(5)外商機能（オプション）
書店の外商業務における、日々の顧客への納品書の作成から、請求書の発行、入金管理まで、売掛業務の基本部分を支援する「外商機能」をオプションとして搭載可能。各種データのダウンロードにより、幅広い顧客との取引をサポートするシステムを低料金で提供。
