(株)トーハンは、講談社、小学館グループをはじめとする出版社38社との共同出資で「(株)出版QRセンター」を設立した。注文品への素早い対応(Quick Response=QR)と在庫情報、納品情報の即応により販売機会の増大と、協働化・協業化による業界全体での物流コスト削減、効率化の推進を設立趣意とし、ことし5月末に竣工した「トーハン桶川SCMセンター」5階に共同在庫センターを設置して8月より一部稼働した。利用出版社は当面70社、最終的に400社程度になる見込み。新会社は、従来出版社が夫々に行っていた返品商品の検品・改装・保管の一連の工程、さらに保管商品の再出庫までを協業化。同じく「トーハン桶川SCMセンター」の2階にことし11月に稼働する「書籍返品センター」、および「SCMデータセンター」との連携により、現状では15日~20日を要している返品商品の検品・改装から出荷までを5日以内に短縮する。特に、新刊や売行き良好書等の大量流通商品は、一方で注文が多数発生しながら、他方では返品が発生し、返品の再商品化や重版による商品供給までのタイムラグにより売り損じがしばしば起きているが、新会社では製(出版社)と配(販売会社)の枠組みを超えた協業化によりこうしたロスを解消する。また、参加出版社ではトーハン非在庫商品を「出版QRセンター」に在庫することで、注文対応力の向上を図る。現状では調達までに10日~15日を要している非在庫商品を「出版QRセンター」に在庫することで、受注から3日以内出荷が可能になる。このように同社非在庫商品を補完的に置くことで、「トーハン桶川SCMセンター」は80万点の在庫を擁することになり、多様化する読者ニーズに素早く対応する環境が整う。こうした在庫政策を支える管理面は、返品入庫・改装状況も含め、単品・銘柄別にすべてコンピュータにより管理される。日次棚卸、リアルタイム捕捉が可能となり、参加出版社には在庫情報をWebサイトや携帯電話を通じて提供する。「出版QRセンター」は、協働化・協業化による物流コストの削減、製(出版社)・配(販売会社)間での流通ロスを排するとともに、需要と供給のタイムラグの最小化によりリードタイムの大幅な短縮を実現。さらに在庫情報のリアルタイム捕捉により、出版社では無駄のない重版計画を立てることができる。さらに、平成18年春に「書籍商品センター」稼働、平成18年秋には「書籍注文センター」への搬入開始と、稼働範囲が拡大する中で、新会社がこれら各センターとより有機的に機能することで、同社が目指す業界最適化、出版SCMのインフラ構築が進み、需要創造型の商品供給態勢が整う。株式会社出版QRセンターの概要所在地:埼玉県桶川市大字上日出谷字原新田1202-1(トーハン桶川SCMセンター内)設立:平成17年7月13日資本金1億円(出資比率/トーハン53%・出版社38社47%)代表者:小林辰三郎主な参加出版社:講談社、小学館グループ、新潮社、角川書店、文藝春秋、ポプラ社、中経出版、柏書房、丸善、他
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トーハン/出版社と「出版QRセンター」設立、出版物流大幅改善
2005年08月28日/SCM・経営
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