公正取引委員会は、鴻池運輸（株）に対し、下請代金支払遅延等防止法違反で勧告した。
調べでは、鴻池運輸は、貨物運送、倉庫における保管業務と清掃業務等を下請事業者に委託していたが、コスト削減を図るため、下請事業者に対し、下請代金の額に一定率を乗じて得た金額を負担するよう要請し、これに合意した下請事業者に対し、平成16年7月から同17年10月までの間、下請代金から「協力金」、「値引き」等の名目で、金額を差し引き下請代金の額を減じていた。
勧告の概要
ア．鴻池運輸が、平成16年7月から同17年10月までの間の支払時に、「協力金」、「値引き」等の名目で下請代金の額から減じていた額（総額4938万3486円）を下請事業者（84名）に対して速やかに支払うこと。
イ．減額行為が下請代金支払遅延等防止法の規定に違反するものである旨及び今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨を取締役会で確認するとともに、これらのことを取引先下請事業者に周知すること。
ウ．社内体制の整備のために必要な措置を講じ、その内容を自社の役員等に周知徹底すること。
