公正取引委員会は12月15日、(株)DNPロジスティクスに対し調査を行ってきたところ、下請代金支払遅延等防止法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する事実が認められたので、勧告を行った。
勧告の概要によると、DNPロジスティクスは、請け負う貨物運送の全部または一部を下請事業者に委託しているところ、自社の利益を確保するため、下請事業者に対して、「管理料」、「値引き」等と称して下請代金の額に一定率を乗じて得た額または一定額を負担するよう要請していた。
これに合意した下請事業者に対し、平成16年5月から同18年3月までの間、下請代金から一定率を乗じて得た額または一定額を下請代金の支払について、原則として、支払うべき下請代金の額が一定額を超えた場合に手形を交付することとしていた。
しかし、平成16年5月から同18年4月までの間、下請事業者に対し、手形の交付に代えて現金での支払を行うに当たって、下請代金から手形期間分の金利相当分として現金での支払を行うために必要とする自己資金に係る預金金利相当額を超える額をそれぞれ差し引くことにより、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者に支払うべき下請代金の額を減じていた。
減額した金額は、下請事業者54名に対し、総額5945万6401円。
なお、DNPロジスティクスは平成18年12月11日、下請事業者に対し減額分を返還している。
公正取引委員会は、DNPロジスティクスに対して、減額行為が下請代金支払遅延等防止法の規定に違反するものである旨と今後、下請事業者の責に帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じない旨を取締役会で確認するとともに、これらのことを取引先下請事業者に周知することと、社内体制の整備のために必要な措置を講じ、その内容を自社の役員等に周知徹底することを勧告した。