新日本製鐵（株）と日本郵船（株）は6月12日、原油タンカーの貨物タンク底面の腐食を防ぐ高耐食性厚鋼板を共同で開発したと発表した。日本郵船はこの開発鋼を今後建造する原油タンカーに全面採用する。
原油タンカーの貨物タンク底面には、原油に含まれる塩水が沈殿してピットと呼ばれる腐食による窪みが発生するが、開発した高耐食性厚鋼板を使うことで、油漏れなどの重大事故につながるピットの発生を防ぐという。
新日鉄と日本郵船は、2004年にこの開発鋼を大型タンカー「TAKAMINE」の貨物タンク底面に試験採用し、2年半後の定期点検で無塗装でもピットが発生しないことを確認。この結果を受けて今後建造される大型タンカー5隻に採用することを決めたもの。
塗装を必要としないため、塗料や有機溶剤の使用が不要となる。建造時、修繕時の塗装コストも大幅に削減可能。
