LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信

クリムゾン/利益確保目的で在庫架空計上、監査法人の指摘で発覚

2007年10月03日/調査・統計

アパレル卸などを手掛ける(株)クリムゾンは10月2日、過去2年間に在庫評価額を合わせて9億700万円分過大に計上し、「不適切な処理を行っていた」と発表した。

第三者による特別調査委員会の指摘で確認したもので、実際には存在しない在庫をアウトレット店舗の在庫として架空計上したほか、評価単価の安い倉庫在庫を同店舗の在庫として水増し計上していた。

同社では、平成20年1月中間期末監査の実施過程で会計監査人の新日本監査法人が、「たな卸し資産の貸借対照表計上額に誤りのある可能性があるので在庫集計額等について過年度にさかのぼり調査をする必要がある」と指摘。

これを受けて9月14日付で特別調査委員会を設置するとともに、梶谷綜合法律事務所に対し外部の第三者として「過年度における在庫集計の誤りの有無、その具体的な内容」を調査するように依頼した。

特別調査委員会の調査報告によると、「不適切な評価増加額」は22期中間期に2億7289万7188円、22期期末3億45万5030円、23期中間期6億8753万3891円、23期期末9億761万4343円――となっており、21期中間期、21期期末の在庫集計には誤りがなかったと認定した。

こうした不正行為の目的として、特別調査委は「経常利益の発表値(業績予想値ないし下方修正値)を確保する目的で、担当取締役の了承の下で、在庫集計に操作が行われたことによる。背景事情として、季越商品にかなり保守的な評価基準が適用されており、在庫評価額を増額することも可能と考えられていた」と指摘。在庫の架空計上や水増しの合計額として9億761万4343円が不適正に増額されたと認定した。

また、不正な在庫操作が発生した要因のひとつとして「いずれもアウトレット店舗の在庫が使われており、他の在庫の管理に比べ、アウトレット店舗の在庫の管理が甘かったことが原因。例えばPOSを導入するなど厳格にしておれば、今回のような操作はできなかったと思われる」との意見を付した。

同社では、10月1日付で藤田潔・管理部門担当取締役を解任した。

関連記事

調査・統計に関する最新ニュース

最新ニュース