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郵船航空サービス/08年3月期、営業利益2.1%減少

2008年04月28日/決算

郵船航空サービスが4月25日に発表した2008年3月期連結決算は、売上高1875.1億円(前期比2.7%増)、営業利益102.1億円(2.1%減)、経常利益119.6億円(4.2%増)、最終利益72.7億円(8.2%増)となった。
貨物運送事業では、日本発着の航空貨物の荷動き低迷を受けた厳しい状況からスタートし、第2四半期以降明るい兆しが見えはじめたことから、売上高は日本を中心に増加。海外では新たな市場拡大を目指してインドやロシアに新会社を設立するなど、販売拠点網の拡大を図るとともに世界の各地域が連携して営業の拡大に努めた。しかし、欧米・アジアの拠点網の整備に伴う先行的コスト負担もあり、貨物運送事業の営業利益の減少につながった。
所在地別では、日本の航空輸出は第1四半期に緊急貨物需要の減少や電子部品・半導体関連品の在庫調整などが影響して荷動きが低迷。第2四半期に入りようやく荷動き回復の兆しが見え始め、第3四半期に自動車部品やデジタル家電製品・部材の出荷が活発となり、提携関係にあるパナルピナ社やヤマトグループとの協業効果も加わって、欧州、アジア地域への取扱いが増加に転じた。この結果、航空輸出取扱は9%増。
一方、航空輸入はボジョレーヌーボーや中国からの食品関連が減少し、暖冬による衣料品の輸入も低調に推移したため、業界全体の動向と同じく前期を下回る取扱いが続いた。
海上貨物の取扱は航空貨物からの輸送手段の切替え、また業務提携に対応する業務体制の整備と販売の強化を図った結果、輸出入で前年を上回る堅調な取扱いとなった。
日本では、期初から「アタック10」と命名した業務の在り方や進め方を見直し、業務の改善とコストの削減を目指した全社的な運動を展開したが、パナルピナ社との提携事業開始に伴う海上貨物部門の人員の増強や体制の整備、J-SOX法対応のための業務委託費の増加など、コスト圧力もあったため、国内連結子会社を含めた営業利益は10.3%減少した。
北米では、航空輸出は前期大量出荷があった食品関連や医療機器関連の取扱いが減少。第2四半期以降は自動車関連部品、セミコンダクターなどのアジア・日本向け取扱いが堅調に推移した。航空輸入は下半期にアジア発の自動車部品関連品の荷動きが活発になったが、建設機械関連の荷動きの鈍化や前期カナダで大きく取扱いを伸ばした航空機関連部材が海上輸送に戻ったことにより取扱いは減少。海上貨物輸送は、航空機関連部品や自動車関連部品の輸送がモード変更による需要増も捉え取扱いを伸ばした。米墨クロスボーダー輸送などの米州域内輸送も堅調に推移した。
欧州では、航空輸出は自動車部品関連や医療機器、食品関連などのアジア向け輸出取扱が順調に推移して取扱いを伸ばし、航空輸入でもアジアからの自動車部品関連、事務機器やデジタル家電関連品の取扱いを伸ばすなど、アジア地域との相互取引関係の緊密化を背景に取扱実績を伸ばした。同時に欧州のゲートウェイ空港となっているアムステルダムやフランクフルトから中・東欧地域を結ぶ広い範囲で域内輸送も堅調に推移。
海上貨物も自動車部品、家電関連を中心に輸出入共に堅調に推移し安定した荷動きが続き、業務提携先のパナルピナ社との協業により未開発のエリアでの販売強化にも着手している。
また、07年6月にロシア法人を設立するなど、中東欧を中心とする拠点展開や欧州域内ロジスティクスに対応するための施設整備などを進めており、先行的な費用負担も増加する傾向にある、としている。
東アジアでは、航空輸出は上半期は中国から欧米向けにOA機器や電子・電気部品の出荷が順調に増加。期央に入り電子部品、自動車部品の欧米向けの取扱いが増加したが、前期の香港から日本や欧米先進諸国向けの大量の出荷が、今期は海上輸送へ移行したことによる反動減、生産拠点の中国などへの移管が進んでいる台湾からの輸出取扱物量が低調に推移した。
低調だった輸出を中心とした収益の減少に対し、仕入れコストの削減や採算を重視したマーケティングに努めた。航空輸入は、自動車部品関連や電子・電気機器部品の旺盛な荷動きを背景に好調に推移。海上貨物も欧州向けOA機器の輸出に加え、クリスマス商戦製品の取扱いも堅調に推移した。
南アジア・オセアニアでは、航空輸出は、音響関連機器や自動車関連品の出荷を中心に堅調。また豪州向け自動車関連部品の大量出荷など、南アジア・オセアニア域内での物流の取扱いも増加傾向にあるとしている。
航空輸入は、家電製品、自動車関連、デジタル機器関連の荷動きが堅調に推移。海上貨物もデジタル家電関連や自動車部品の出荷が大きく貢献するなど、輸出入ともに好調に推移した。4月に設立したインド法人の販売拠点を急速に拡充し、貨物取扱体制を整備したことにより取引関係にあるアセアン諸国のグループ法人の営業収益拡大に寄与している。

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