商船三井は1月5日、芦田昭充社長の2009年の新年挨拶で米国のニューディール政策を模した「MOLニューディール」を推進すると発表した。現在の状況は、素材・エネルギー価格とともに大幅に増大した燃料費、潤滑油費、修繕費などコスト全般で削減の可能性が大きくなったとして、MOLニューディールを推進しピンチをチャンスに変えようと全従業員に呼びかけた。
MOLニューディールは短期的には、足元の荷動き減に合わせ、昨年から勧めている高Hire Base傭船の解約、老齢船のスクラップ、余剰船腹の係船、傭船の返船などを進めるもの。並行して各種コスト削減やリスク管理にも注力し、中期的には将来の船腹需要を見据えた船隊整備計画を進め、競争力のある船腹を充実する。この基本方針は不変だとして、短期、中期、長期の視点に立った諸対策を既定方針にとらわれず、強靭に進めるとしている。
中長期的には、「世界人口の増加、グローバリゼーションの流れに伴い、貿易量と海上輸送量は拡大していくと確信している」とMOLニューディールの意義を強調。また、安全運航は絶対妥協できないプリンシプルであるとし、安全運航のさらなる徹底のために常に原点に立ち返って考え、全グループ一丸で重大海難事故ゼロを継続しようと説いた。