全日本空輸が1月30日に発表した2009年3月期第3四半期決算によると、貨物の売上高は847億円(前年同期比9.7%増)で、内訳は、国内線が255億円(9.8%増)、国際線が592億円(9.8%増)だった。
各部門中、国内線貨物・郵便事業は一般混載貨物の荷動きが低調であったものの宅配貨物が堅調で、「ゆうパック」の取扱いを郵便扱いから貨物扱いへの変更により輸送重量が増加した。4月からは国内貨物運賃体系を改定し、12月にはシーズナリティー運賃を導入し、単価改善とオフピーク時間帯の需要を喚起し収益性を向上させた。
国内線郵便は、「ゆうパック」の貨物扱いへの変更で輸送重量・収入ともに前年同期を下回った。国内線貨物輸送重量は36万6000トン(4.0%増)、売上高は255億円(9.8%増)を記録。郵便輸送重量は2万9000トン(57.6%減)、売上高は30億円(51.0%減)となった。
国際線貨物は日本発の輸出貨物が伸び悩み、特に日本-中国間は海上輸送シフトなどで航空貨物需要が減少した。11月以降は全方面で国際貨物流動が大きく減少。アジア・中国発北米・欧州向け貨物やアジア域内流動貨物、北米・欧州発日本向け貨物を積極的に取込んだ結果、全体の輸送量は前年同期を上回った。
また、3月末から厦門・青島便、7月から台北便をウィークデーデイリー化して貨物便ネットワークを拡充し、燃油価格高騰には燃油特別付加運賃の改定で対応した。
7月には日本発香港・上海向けサービスを皮切りに営業を開始した国際エクスプレス事業新会社、オールエクスプレスが発足。12月より中国の広東省・中国内主要都市へサービスエリアを拡大した。
国際線郵便は積極的な取込みを行った結果、日本発は欧州方面以外の全方面が、海外発は欧州発、アジア発が好調だった。国際線貨物輸送重量は28万5000トン(14.5%増)、売上高は592億円(9.8%増)となった。郵便輸送重量は1万3000トン(21.6%増)、売上高は28億円(14.0%減)だった。